第2回:ハードウェア編:SAPアップグレードのダウンタイム変動要素

 2009.10.19  リアルテックジャパン

第2回:ハードウェア編:SAPアップグレードのダウンタイム変動要素

前回はアップグレード処理そのものがSAPアップグレードのダウンタイム(停止時間)にどう影響を与えるのかというのを、ご説明しました。

第2回はハードウェアについてです。

アップグレード処理時間に最も影響を与えるハードウェアはCPUです。特にCPUやシステムバスの性能はRDBMS、SAPインスタンス、R3load、R3transの動作に影響するため、CPUが速ければ速いほど、違いが出てきます。

次に影響するのはディスクです。これはRDBMSの性能に影響しますが、ある程度の性能があれば、効果は微差になってきます。極端に物理ディスクが少ない開発機やサンドボックス機などでアップグレードする時は、それなりの覚悟が必要です。

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メモリはあまり影響を与えません。アクセスしているテーブルが数10GBのトランザクション系テーブルはあまり操作せす、BASIS系の小さなテーブルへのアクセスが多いため、RDBMSへのメモリアサインを増やしたり、シャドウインスタンスのパラメータを調整しても、ほとんど効果は無い、というのが経験上の答えです

現状のアップグレードキットはハードウェア性能をフルに活用するフェーズが少ない、というのが実情です。

複数のプロセスが実行されるフェーズは、EU_IMPORTx、SHADOW_IMPORT_xxxx、ACT_700、TABIM_UPG、XPRAS_UPGなどがありますが、ほとんどのフェーズで6CPU以上の負荷はかかりません。

唯一TABIM_UPGでは、前提条件をクリアしたサポートパッケージは一斉に処理をするため、一度に多くのR3transを並行して動作させることが出来ますが、最も大きなBASISサポートパッケージが時間的なネックになります。

私の経験上15並列での実行を見たことありますが、過負荷になると最も大きなサポートパッケージの処理時間が長くなってしまうので実質はCPU(Core)が2つなら4並列で、CPU(Core)が4つ以上なら6~8個程度が最も効率の良い数字ではないか?と見ています。

上記の動作はECC6.0 SR3アップグレードキットでの動作で、最新のEnhancement Packageでは仕様に変化が見られるため、今後の実績を踏まえて別の機会に話せたら良いかと考えています

ではまた

hama

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