【SCO・SMA・Azure Automation】Microsoft自動化ツールを整理してみた

 2015.07.24  リアルテックジャパン

Microsoftの運用管理ツールと言えばSystem Centerです。System Centerツール群の中で自動化の役割を担うのはSCO(System Center Orchestrator)であることはこちらの記事でもご紹介してきました。

しかし、Microsoftが現在リリースしている自動化ツールはSCOだけではありません。この記事では、複数あるMicrosoftの自動化ツールの特徴を整理しながら自動化の最新情報を整理してみました。

Microsoft自動化ツール全体像 

先日、公開されたde:codeの中の「ハイブリッドクラウドにおけるオートメーション~次期System Center OrchestratorとAzure Automationのロードマップ~」というセッションでMicrosoftの自動化ツールの全体像として以下の図が紹介されていますので引用させていただきます。

1.png

*引用元セッションの動画と資料はリンク先にあります 

ここで自動化ツールとして挙がっているのは以下の3つのツールです。

  • SCO(System Center Orchestrator)
  • SMA(Service Management Automation)
  • Azure Automation  

コンポーネント間の矢印に注目して絵を見ると、3つのツールそれぞれが、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境を自動化できるツールであることがわかります。 3つのツールの位置づけをもう少しはっきりさせるため、更に関連する情報を見ていきましょう。

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ツール毎の特徴

以下のMSDNのページに3ツールの比較表があります。

ポイントを抽出すると以下のようになります。

自動化ツール Runbook定義方法 エンジン 利用形態
SCO GUIを利用 独自のエンジン 自身で構築
SMA PowerShellで開発 PowerShell Workflow Based 自身で構築
Azure Automation PowerShellで開発(一部GUIを利用可能) PowerShell Workflow Based クラウドサービスを利用

SCOは、Microsoftが2009年終わりに買収したOpalisを前身としているため、他の2ツールとは全く違う仕組みで動いていることがわかります。実際に触ってみるとSCOだけが全くの別製品であると わかります。

残りの、SMAとAzure Automationは本質的には同じもので、それがクラウド上のAzureのサービスとして提供されているか、オンプレミスにAzure Packと共に構築するかが大きな違いです。

今後の方向性に対する推測

現時点では3つのツール全てが利用できますが、今後の方向性はどのようになるのでしょうか。本拠地である米国で開催されたIgniteに「Automation Overview and Roadmap for Windows Server and System Center」という題名のセッションがあったので、そこから一枚スライドを引用しながら考えていきます。 

2.png

*引用元セッションの動画と資料はリンク先にあります 

スライド内のWhat's Nextに今後の展開について書かれているので、並べてみます。 

  1. Hybrid Runbook Worker
  2. PowerShell DSC
  3. Linux Support
  4. Gallery
  5. Graphical Authoring
  6. Migration to cloud
  7. Role Based Access Control 

一つ一つ項目を見ていくと全ての項目がAzure Automationの強化・拡張に繋がることがわかります。

1、4、5、6、7はAzure Automationの拡張そのものです。2、3はPowerShellの拡張ですが、PowerShellをベースとしているAzure Automationにも直接関係するものです。

このスライドの内容を見る限りは最も開発が活発に行われているのはAzure Automationであることが推測できます。

運用管理ツールをサービスとして利用する

Azure Automationに複数の拡張開発が行われているという情報を得ることができましたが、特に重要なポイントは、Hybrid Workerだと考えています。Hybrid Workerが出てきたことによりAzure Automationはクラウドだけでなくオンプレミス側の自動化もできるようになりました。

Azure Automationのようにクラウドサービスを使ってクラウドとオンプレミスのハイブリッド環境の運用管理を行う流れは、自動化の分野だけでなく、監視 など他の分野まで広がってきています。MicrosoftはAzure Automationを含めた運用管理サービスを纏めた「Microsoft Operations Management Suite(OMS)」を発表しています。

OMSには現時点で自動化を含め以下の4分野がそろっています。

  • ログ分析
  • 自動化
  • 可用性確保
  • セキュリティ保護

早速、Azure Automationのオンプレミス側の実行エージェントであるHybrid Workerを導入してみたところ、インストールフォルダの中にOaaSというフォルダを見つました。これはOperation as a Serviceの略ではないかと考えています。

3.png

今後は、運用管理ツールの選定候補として、クラウドを通して提供されている運用管理ツールであるOaaS(Operation as a Service)を利用するという選択肢が現実味を帯びてきているのかもしれません。

導入事例:マイクロソフト

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