業務システムを革新するプロセス管理とは?

 2020.05.11  リアルテックジャパン株式会社

1つの業務を完了させるのには、非常に複雑なプロセスが存在します。皆さんの会社では1つ1つの業務が常に効率的なプロセスを経ていると言えるでしょうか?

今回ご紹介するのは、業務システムを革新する「プロセス管理」についてです。効率的な業務プロセスを構築するには、システム面から見直さなければいけないところがたくさんあります。ここではその必要性を、BPMの観点とシステムプロセス管理の観点からお伝えします。

BPM・システムプロセス管理とは何か?

BPMとはBusiness Process Management(ビジネス・プロセス・マネジメント)の略であり、文字通り業務プロセスを能動的に管理することを意味します。BPMにおける業務プロセスは主に、業務手順・役割分担・業務ルールの3点を指します。そして管理が指すのは、可視化・再設計・適用です。では、日本BPM協会より、BPMの中心となる3つのテーマをご紹介します。

  1. 複数の部門や業務システムにまたがって行われる統合型業務において、各関係者が業務の手順や仕事のやり方、状態を共有しチームワークを強化する
  2. 顧客からのカスタム要望やクレーム対応など多様なニーズが存在する場合において、その内容に応じて的確な対応を行うための業務手順や情報を、迅速かつ的確に実行する
  3. 業務プロセスごとのシステムへの要求を定義し、実際に業務プロセス単位でシステムを再構築する

引用:日本BPM協会『BPMとは

では、システムプロセス管理とは何でしょうか?これは「システムワークフロー管理」という言葉に言い換えることができます。ワークフローとは、さまざまな業務を遂行する中で発生する承認・決裁の流れを明示的に表したものです。広義では業務の起点から終点を意味します。ただし、承認・決裁ワークフローの意味合いで使われることが多いでしょう。

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BPMやシステムプロセス管理が必要とされる理由

業務プロセスの効率化を図る必要があると日々実感している方は多いでしょう。ビジネスのスピードアップは収益拡大に繋がるあらゆる要素を強化し、なおかつ生産性向上による労働環境改善等の効果もあります。顧客満足度も向上し、取引先からの信頼性もアップします。しかし、多くの企業では効率化ニーズは感じているものの、その課題を放置しているところが多いでしょう。

業務プロセス効率化を図るには、一種の改革が必要になります。それに伴う一定の費用と労力が、改革を消極的にしてしまいます。だからこそ、企業にはBPMやシステムプロセス管理を採り入れた新しい改革が欠かせません。

では、なぜBPMなのか?なぜシステムプロセス管理なのか?

まずBPMは、実践可能で体系的な取り組みが行えることから、多くの企業にとって一定の業務プロセス効率化効果があります。例えば、BPMはBPMN(Business Process Model and Notation:ビジネス・プロセス・モデリング表記)を使って既存の業務プロセスを可視化し、新しく効率的な業務プロセス構築に貢献します。

具体的には、業務プロセスを実行するにあたり関係者が共通に理解しておくべき、仕事の始め方、役割分担、各担当者の仕事内容、顧客とのやり取りなどのフローを記述します。ISO19510として国際標準にもなっています。なお、BPMNのモデリングは詳細度によってレベルが異なります。

レベル1

(記述モデル) 業務実務者の合意形成や、システム構築者に必要な情報を伝える道具として使用します。数少ない記号と注釈文によって、だれでも簡単に作成できて、分かり易い表記です。

レベル2

(分析モデル) 業務プロセスをBPMシステムなどのITで実現するための設計情報として、業務の統制や例外処理などを記号で表します。使いこなすには、専門的な学習と経験が必要です

一方、システムプロセス管理はBPMによって再構築した業務プロセスの流れをシステムに落とし込み、さまざまなワークフローを運用することで業務効率を大幅にアップさせる効果があります。

BPMやシステムプロセス管理を採り入れるメリット

BPMやシステムプロセス管理を採り入れることは、企業にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット1. 属人的な業務プロセスを標準化する

企業の中には、特定の社員だけが遂行できるような属人的な業務プロセスがあります。そうした業務はプロセス全体の流れを円滑にできなかったり、組織全体の業務プロセスに影響を与えたりする原因になります。

ベテラン社員等が退職・休職すると停滞してしまうような業務プロセスならば、それは必ず標準化すべきものです。BPMやシステムプロセス管理にはそうした属人的業務を排除する効果があり、業務プロセス全体の円滑な流れを支援します。

メリット2. 業務進捗をモニタリングできる

システム上で業務プロセスの進捗度をリアルタイムで確認できれば、さまざまなトラブルを予見して事前の対策を取ることができます。問題のある業務プロセスを素早く発見できれば、原因究明を早め、スピーディに対応できます。ひいては組織全体の業務プロセス効率化へと繋がります。

メリット3. 業務プロセスを整理して非効率を排除する

BPMで紹介されているBPMNなどのモデリングを活用すれば、既存の業務プロセスを可視化するだけでなく、非効率的な業務プロセスを洗い出して排除に向けて取り組みを実施することも可能です。単に業務プロセスを組み替えるのではなく、非効率さを排除することでより大きな効率化を得ることが可能でしょう。

メリット4. 非定型処理もパターン化して共有する

組織には定型的に発生する業務プロセスと、不定期に発生する業務プロセスがあります。後者のプロセスは主にクレーム対応や受注生産などが主に該当します。こうした非定型処理、業務プロセスのパターン化が難しいのがボトルネックです。そこで、BPMを実施して非定型処理の業務プロセスもパターン化し、全体最適化を図ることで大幅な業務効率化効果が期待できるでしょう。

メリット5. 承認・決裁プロセスが効率良く完了する

承認・決裁プロセスは担当者不在によって停滞することがよくあります。ビジネススピードを高めるためには、やはり承認・決裁プロセスの効率化が大切です。システムプロセス管理では、条件や分岐によって多様なワークフローを構築でき、システム上で完結できます。

BPMとシステムプロセス管理を採り入れよう

いかがでしょうか?現代企業の多くが、業務プロセスの効率化を実現するためのBPMやシステムプロセス管理を必要としています。大切なのは、まず自社環境の業務プロセスを洗い出した上で効率化の余地がある部分を抽出し、その課題や解決策などをしっかりと検討することです。日々の仕事の中で、少しでも業務プロセスが非効率的と感じたらBPMやシステムプロセス管理の採用を検討してみましょう。また、最近では働き方改革やテレワークなども注目されているため、BPMやシステムプロセス管理に取り組むよい機会でもあります。

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