SAPによるビジネスプロセス自動化を解説

 2024.03.08  リアルテックジャパン株式会社

ワークフローにおける管理プロセスの自動化は、標準化や改善による業務効率の向上、新たなビジネスモデルに対応するためのイノベーション創出や、コスト削減の実現につながります。本記事では、SAPの概要やSAPによってできること、自動化のメリット、成功させるコツ、SAPにおける自動化の方法を解説します。

【SAP】ビジネスプロセスの自動化とは?

【SAP】ビジネスプロセスの自動化とは?

管理プロセスの自動化とは、デジタル技術を利用して管理プロセスを自動化し、業務効率化やコスト削減、従業員満足度や社会的信頼性の向上を実現する取り組みです。この管理プロセスの自動化に有効なシステムが「SAP」と呼ばれるERP製品であり、導入することで会計管理や販売管理、生産管理など、さまざまな管理プロセスの自動化が実現できます。

SAPは、ドイツに本社があるソフトウェア企業のSAP社が提供するERP製品です。グローバル企業への導入実績も豊富であり、なおかつ中小企業向けのERPも提供していることから、企業規模に関わらず世界中で利用されています。豊富な機能が標準搭載されていることや、企業のデジタル化およびクラウド化に柔軟な対応ができることも強みです。また、自動化の範囲についても「完全自動化」や「半自動化」などの選択肢があり、目的に沿った使い分けもできます。

完全自動化の例としては、外出先でメモを取った内容を、会社に戻ってからパソコンなどに入力する作業を、スマホなどのデバイスに直接入力し共有されるようにするケースが挙げられます。外出先で行う一度の操作で完了できれば、作業時間の短縮につながります。
半自動化については、再発注時の自動入力といった例が挙げられます。一度購入した商品を再購入する際に、発注情報が自動的に入力されるようになれば、手間がかからないだけでなく、入力ミスによる発注間違いも防げます。

【基礎知識】ワークフローとは? 3つの種類

【基礎知識】ワークフローとは? 3つの種類

管理プロセスの自動化を検討する前に、まずはワークフローについて理解しておく必要があります。ワークフローとは、業務における一連の流れのことです。例えば、従業員の採用業務や請求書の処理、消耗品などの受発注業務など、結果の均一化が求められる業務には、あらかじめ決められた手順が必要になります。一連の流れに沿って行われる業務がワークフローであり、そのプロセスを自動化することで業務効率化が期待できます。

ワークフローの自動化の範囲は以下の3つに分けられます。

  • 完全な自動化:定義されたルールに従い、専用アプリケーションを用いて業務を完全自動化すること
  • 半自動化:ワークフローの一部が自動化されること
  • 完全な手動化:人手による物理的な方法で行うワークフローのこと

ビジネスプロセスをワークフローで自動化するメリット

ビジネスプロセスをワークフローで自動化するメリット

自動化することで、プロセスが簡素化され業務効率の向上が期待できます。具体的には、データの処理能力が上がり業務がスムーズになること、タスクの見落としや遅延が防止できること、ボトルネックとなっている箇所が排除できることなどです。また、日々変化する業務ニーズや、新たなビジネスモデルに対応するための業務の標準化やイノベーションの創出も期待できます。さらに、業務プロセスにおける監視・管理が行えることで、業務における責任の所在の明確化、およびコンプライアンスの強化も実現可能です。

ビジネスプロセスの自動化を成功させるコツ

ビジネスプロセスの自動化を成功させるコツ

管理プロセスの自動化を成功に導くためには、いくつかのポイントがあります。ひとつは、業務の内容が自動化に適しているかの見極めです。特別な意思決定や判断を必要としない業務などを洗い出し、自動化することでパフォーマンス向上が期待できることを見極めます。次に、自動化するシステムの選定です。テンプレート化されたシステムなど、信頼性が高く、効率の良いシステムを導入しましょう。また、機能を使いこなすためには、担当者が複雑なシステムを管理する技術を身につけておくことも重要です。新しいビジネスモデルに対応するためにも、積極的にプロセスの自動化を図りましょう。

【SAP】ビジネスプロセスをワークフローで自動化する4つのシナリオ

【SAP】ビジネスプロセスをワークフローで自動化する4つのシナリオ

SAPにおいてビジネスプロセスをワークフローで自動化するためには、4つのシナリオがあります。ひとつは、今あるシステムとワークフローテンプレートを組み合わせる、既存システムの最適化です。自動化を一から始める必要はなく、既存システムの機能を活用して変更を行います。次に、既存システムのデータを活用しつつ、外部のクラウドに新しいシステムを構築する手法です。「サイドバイサイド」と呼ばれるアプリケーションの拡張方法で、クラウドで構築されます。

3つ目は、部門ごとに分かれているシステムを組織全体で使用できるようにする、部門間のプロセスオーケストレーションです。複数の分断されたワークフローを統合することや、一部のワークフローをサプライヤーなどの外部へ提供し、その結果を社内のプロセスに活用できます。4つ目は、申請や承認などのシンプルなワークフローのみを自動化する場合の方法です。視覚的に使いやすい機能を利用し、組織のニーズに合わせたワークフローアプリを構築します。

SAP Build Process Automationによるワークフローの自動化

SAP Build Process Automationによるワークフローの自動化

参考記事:
https://www.sap.com/japan/documents/2022/05/68b052e1-2a7e-0010-bca6-c68f7e60039b.html
https://www.sap.com/japan/products/technology-platform/process-automation.html

PowerPointを操作する感覚でクリックやドラッグ&ドロップするだけで簡単にワークフローを作成できるツールとして「SAP Build Process Automation」があります。 ここではSAP Build Process Automationの概要とそのメリットについて解説します。

SAP Build Process Automationとは

SAP Build Process AutomationはSAP社が企業向けに提供するソリューションツールです。プログラミングに関する技術がなくても画面上の操作を通じてワークフローの作成やタスクの自動化を行うことができます。業界別のテンプレートやコンテンツが事前に用意されているため、ワークフローを作成する担当者は最初からワークフローを作成する手間を省くことが可能です。SAP Build Process Automationはその他にAI機能やRPA機能を兼ね備えており、より高い生産性と業務効率化の実現をサポートします。

SAP Build Process Automationを活用するメリット

SAP Build Process Automationはローコード/ノーコードツールとも呼ばれています。、エンジニアではない担当者がIT部門のサポートに頼ることなくシンプルかつ迅速にワークフローを構築できる点が、このツールを利用する上での大きなメリットです。タスクの自動化やRPA、組み込みAI等のその他の機能が充実しています。各企業の状況に合わせて柔軟にプロセスを調整できる他、ビジネス全体のプロセスを効率化することで生産性の向上を期待することが可能です。信頼性の高い堅牢なプラットフォームとして評価も高く、データのセキュリティ面でも安心できます。

SAP Build Process Automationの活用事例

SAP Build Process Automationの活用事例

参考記事:
https://www.sap.com/japan/products/technology-platform/process-automation.html#finance
SAP Build Process Automationが現場でどのような効果を発揮するのか、部門毎に見ていくことにしましょう。財務、人事管理、在庫管理の3つに分けて解説します。

財務

SAP Build Process Automationを活用することによって、紙やエクセルで管理していた受注や請求に関する処理を全てデジタル化することが可能となります。担当者は、煩雑な受注登録作業や手作業による請求書のチェック等の、定型的で非効率な業務から開放されます。SAP Build Process Automationによってこれらの作業を自動化することにより、工数を削減できます。販売における与信管理や返品依頼の自動化にも対応しています。

人事管理

SAP Build Process Automationは人事管理でもその優れた機能を発揮します。人材採用においては、応募者に重複応募がないかボットによって履歴書や職務経歴書をチェックします。さらに、事前に行う質問を通じてスクリーニングを行い優れた応募者を自動的に選定することができます。さらに、社内合意が取れていて適切な段階にあることをチェックし、自動的にオファーレターを送付します。
従業員が退職する際は、予め決められた定義に基づき、備品の回収、ITシステムへのアクセス制限、退職時面談等、各プロセスが抜けもれなく実行されるよう各担当者をアサインする機能を提供しています。

在庫管理

在庫管理においては資材の調達、購買、支払いがサプライヤー毎に発生するため、手作業で全て行おうとすると煩雑な処理となってしまいます。しかし、SAP Build Process Automationを活用することで、購買申請の自動承認や購買プロセスのリアルタイムな可視化、資材タイプに応じたワークフローの自動更新等を実現することができます。これまで必要とされていた時間を大幅に削減することができ、手作業によるミスの削減やコンプライアンスの強化へつなげることが可能です。

まとめ

管理プロセスを自動化することで、業務効率化やコスト削減、および従業員満足度や社会的信頼の向上が期待できます。管理プロセスの自動化には、SAP社が提供するERP製品の「SAP」の利用が有効です。企業や組織の目的にあわせた、ワークフローにおける管理プロセスの半自動化や完全自動化が実現できます。

SAPの自動化プロセスを活かし、効率良く業務を進めましょう。

ビジネスプロセス管理(RunMyJobs️)

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