はじめに
プライベートで家計簿管理をしている人も結構いると思います。かくいう筆者も数年間、家計簿をつけていますが、数年情報がたまるとある程度トレンドがわかります。安いスーパーがなくなって最近の食費が高くなっている、夏と冬はエアコンを使うので光熱費が高い、などです。
例えば、今年は貯金がいつもより多く増えていることがわかると、その原因を探したくなります。原因に見当がついたらば家族で情報共有して話します。他人と共有、ディスカッションをすることで新しい発見ができます。それらの分析・情報共有を組織において素早く行うSAPソリューションがLumiraです。
本記事では、再発見をテーマにHANAとLumiraをの解説をします。
なお本記事は、下記シリーズ記事の一部で、他記事も参照されることをお勧めします。
第1回 Tech JAMリプレイ:統合プラットフォームとしてのHANA開発(SAPUI5, OData, PAL, HANA View)
第2回 Tech JAMリプレイ:HANAテキスト検索でのナレッジ管理効率化
第3回 Tech JAMリプレイ:SAPUI5 SmartTableを使った高度な一覧表示
第4回 Tech JAMリプレイ:HANA PALを使った将来予測
第5回 Tech JAMリプレイ:HANAとLumiraでの再発見【本記事】
例:プロジェクト課題一覧からの再発見
前記事動画デモの「課題ダッシュボード」で使用した課題データをLumiraでそのまま利用して分析してみます。
1. データ取得元の選択
まずはデータ取得元を選択します。今回はHANAからHANA Viewを選んでいます。BOのユニバース、BWといったSAPソリューションはもちろん、JDBCを使ったSQLサーバ等からの取得も可能です。下図はデータ取得元としてHANAからHANA Viewを選んでいる画面です。
2. 課題を多角的に分析してみる
前記事動画デモの「課題ダッシュボード」はプログラムなので決まった動きしかできませんが、Lumiraでは分析軸(ディメンション)と結果数値(メジャー)を素早く切り替えられます。視覚的に見やすいデザインも嬉しい点です。素早く分析することで、課題のボトルネックがどこにあるのか、などを見つけやすいです。下図は課題に関するグラフを2種類作ってみた画面です(2分くらいで作りました)。
また、今回は紹介しませんが、他システムやローカルファイルのデータと結合した分析も可能です。結合のやり方は、過去の記事「S/4HANAの勘所:HANA基本実践編(PALとLumiraを使った顧客分析)」で紹介しています。
3. 課題分析結果をまとめてみる
ストーリーボードの機能を使って課題分析結果をまとめてみます。文書や画像を足すことで報告資料に使えます。下図は試しに作ってみた課題報告書です。
4. 課題分析結果を共有する
まとめた課題分析結果をクラウド上に保存して、他の人と共有することができます(ローカル保存も可能です)。これにより、プロジェクトマネージャが会計チームのリーダと情報を共有して議論する、といったことが可能になります。
さいごに
Lumira Desktopを起動すると副題として"Ignite Creative Ideas"という言葉がロゴと一緒に表示されます。「さまざまな情報から新しいアイデアを創造しよう」というメッセージが込められています。情報の種類、量、見え方を工夫することで、様々な再発見を期待してしまいます。
本投稿で「Tech JAMリプレイ」シリーズは終了です。「過去・現在・将来を見通す」という副題で作った動画デモを中心に最新のHANA開発に関して説明してきました。Tech JAMにいらした方も来られなかった方も当シリーズの内容を読んで何か再発見があれば非常に嬉しい限りです。最後までお読み頂きありがとうございました。
- カテゴリ: S/4HANA