第3回:チューニング編:SAPエンハンスメントパッケージ適用の実際

 2009.12.11  リアルテックジャパン

 

第3回は実際に検証環境にてEhP4を適用して所要時間計測を行い、合わせてREALTECHが行ったチューニングの効果に関してご紹介します。

今回はERP6.0-SR2(EhPなし)の新規インストール環境に EhP4を適用しました。
(ユーザ・データは入ってませんので注意、後ほど考察します。)

最初に検証システムのご紹介です。

 ehp-config.JPG

見て頂くとおわかり頂けますように中規模の本番機としても使えるそこそこのSPECです。なお、OS、DBMSは日本国内で最も多くのお客様に採用されている環境を採用しました。

下記はご自分でUpgradeできるレベルのBASISコンサルタント向けの情報ですので、ほとんどの方にとっては細かい話なので、下記を読んで特に気にならなければリンク先は参照しなくてもいいと思います。

   EhP4適用後のSPレベルはこちら。

   ツール周りのソフトウエア・バージョンですが下記の通りです。

      SAPehpi_25-10005807.SAR

      R3trans_51-10005992.SAR

      tp_56-10005992.sar, kernel 701 patch 39


結果を見て頂く前にひとつご説明したいことがあります。

SAPデータコピーツール Data Sync Manager
SAPユーザー必見!テスト・トレーニング・データ移行時に機密データを守る方法は?

第2回でEhPiのベーステクノロジは従来からのUpgrade作業で使われていた SAPup がベースになっているというお話しをしました。

実はEhPiではUNITという処理単位が定義されています。
内部的にはこれまでUpgradeのSAPupの処理と非常によく似たの処理が行われています。
まだEhPを当てたことないというコンサルタントの方に従来のSAPupのPhaseと対比して見て頂けるようにしてみました。

ehpi-sapup-comparison.jpg
ちなみに図中にある()付きフェーズ表記は Resource-Minimized (4.6Cからのupg)の場合です。

お待たせしました、時間計測した結果は下記の通りです。(検証の時間経過はUNIT名で表記しています。)

右にはチューニング前とありますが、一般的な運用BASISコンサルタントの方からすればチューニングしているが正しいです。ただし、REALTECHとしては特にチューニングをしているつもりはないです。手慣れのテクニカルBASISコンサルタントであれば、これ位はというレベルです。なぜこんな書き方にしたのかというと、EhPiのデフォルトでそのままやっちゃうといったやり方と比較をしても意味がないと思うからです。

 ehp4-result.jpg

実際のチューニング内容ですが、正直ばりばりにチューニングしたわけではなくて、最も効果が出るであろうひとつのチューニングポイントに着目してそこに手を入れています。
「肝心なところがない」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、Upgrade処理の動作を理解されておりかつEhP4をご自分で当ててみたことのあるBASISコンサルタントの方にはこれでもかなりのヒントを出しているつもりなので、何卒お許しください。;)

Downtime Minimizedシナリオを使用していますので、実際にはDowntime のところが実際にSAPを停止する必要があり、それ以前の処理はSAPオンライン中に作業可能です。オンライン中にそんな作業はしたくない場合には、全体時間分をダウンタイム時間内に処理することも当然可能です。(今現在弊社のお客様の場合はこちらを採用される傾向にあります。)

社内での検証結果は以上です。


参考にはなるけど・・・そもそもデータはいってないし。

ここまで読んで頂けたことに感謝しまして・・・

サーバ環境:Windows 2003 /1.6GHzX12/24GB Mem ,DB 約800GB

ソース:ERP6.0 SPs11 Unicode NetWeaver 7.0
ターゲット:ERP 6.0(Unicode)+EhP4 for ERP 6.0 SPs2/ NetWeaver 7.01

EhP4全部入り連続*適用で約50時間です。(本番実績なのでお客様環境に特化してカリカリにチューニングした結果です。)

*:EhPi自体はDowntime Minimizedシナリオしか選べませんが、従来から行われているResource Minimized シナリオによるUpgradeっぽく、1回のダウンタイム期間中に一気に当ててしまうことを意味しています。

前述の検証結果の約2倍、この規模でのECC6.0へのUpgradeの弊社作業実績時間と比べて2倍弱ということでかなりの強敵です。全部当ててるんだからそれくらいかかっても仕方ない、そもそも選択して適用すべきという方も少なくないかと思います。このあたりはお客様の要件次第ですが、現実的には今は全部入りの流れを現場で強く感じます。

第3回は以上となります。

以下、今後掲載予定の記事タイトルでいよいよ佳境です。

【第4回】バージョンアップ同時適用編:SAPエンハンスメントパッケージ(EhP4)の適用の実際

これからECC6.0にバージョンアップするお客様は必見です。ある意味お勧めです。

【第5回】まとめ:SAPエンハンスメントパッケージ(EhP4)の適用の実際

EhP4適用時のBest Practiceについて、現場視点でまとめます。

お楽しみに


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