はじめに
前投稿「S/4 HANA Enterprise Managementリリースとその目的」では、先月11月にリリースされた「S/4 HANA」の最新版「SAP S/4 HANA Enterprise Management」の内容とその目的について解説しました。一方で2015年12月1日にSAPジャパンはSaaS型クラウド分析ソリューション「SAP Cloud for Analytics」の提供を開始しています。
今投稿では「SAP Cloud for Analytics」の内容について解説します。どのようなことをできるのか、既存の分析ソリューションである「SAP Business Objects」と何が違うのかを掘り下げていきまは「SAP Cloud for Analytics」の内容について解説します。どのようなことをできるのか、既存の分析ソリューションである「SAP Business Objects」と何が違うのかを掘り下げていきますP Cloud for Analytics」の内容について解説します。どのようなことをできるのか、既存の分析ソリューションである「SAP Business Objects」と何が違うのかを掘り下げていきます。
SAP Cloud for Analyticsとは
SAP社は「SAP Cloud for Analytics」について「単体で全ユーザに対して全分析機能を提供します」と説明しています。
この短い言葉の中に、多くの意味が含まれています。既存分析ソリューションの「Business Objects BI Solutions」は用途、想定ユーザに応じて多岐の機能に分かれていました。そして、現在はリンク先でSAP社が説明しているようにその多岐に別れた機能を集約している過渡期です。また、Business Objects BI Solutionsだけでなく、可視化ソリューションとして「SAP Lumira」、予測分析ソリューションとして「SAP Predictive Analytics」、計画系ソリューションとして「SAP Business Planning and Consolidation(BPC)」、統制管理ソリューションとして「SAP GRC」がありました。それらのソリューションが担う役割がパブリッククラウド(HANA Cloud Platform)上に統合された形で実装されているのが「SAP Cloud for Analytics」です。この内容を下図のように示すことができます。
機能概要
機能概要図は下図のように示すことができます。
元システムの形態がクラウド、オンプレミスかを問わず分析できます。
「SAP Digital Boardroom」は最上位層にあり、全分析機能を駆使して過去、現在、将来の情報を可視化し議論するためのアプリケーションです。リンク先スクリーンショットや動画を見ることでイメージつきやすいかと思います。
現在、使用できるのは「SAP Digital Boardroom」と「BI(Cloud for Analytics for BI)」、「Planning(Cloud for Analytics for Planning)」の3つです。PredictiveとGRCは2016年にリリース予定です。
SAP Cloud for AnalyticsとS/4 HANAの先にあるビジョン
SAP社創業メンバーであるハッソ・プラットナー氏は、「CEO、部門マネージャーなど利害関係者が集まり、あらゆる内容の実績、予測データをリアルタイムで分析し、シミュレーション、議論ができる姿を目指している」とS/4 HANAプレスリリース時に熱弁していました。その説明時のスライドと「SAP Digital Boardroom」の画面がほぼ一致します。今後、下記の3つのソリューションを軸にハッソ・プラットナー氏のビジョンを実現していくように見えます。
1. HANA:多様な情報(テキスト、地図情報など)に多様な処理(予測分析、テキストマイニングなど)を実現する統合プラットフォーム
2. S/4 HANA:企業の基幹業務を効率的・効果的に処理
3. Cloud for Analytics:過去、現在、未来のあらゆる情報を分析
最後に
私達の身の回りで様々な技術が進化しています。その進化はERPのような安定稼働が第一に求められる分野はもちろん、分析ソリューションなどにも及んでいます。それらの技術進化をそれぞれの企業・人がどのように活用していくのか、実に楽しみです。
- カテゴリ: SAP情報
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