リスクマネジメントとは? 取り組みのプロセスや対策のタイプなどを解説

 2023.02.24  リアルテックジャパン株式会社

将来の見通しが困難な時代、企業はさまざまなリスクを想定し、対策を講じていかなければなりません。こうした対策は一般にリスクマネジメントと呼ばれます。本記事ではこのリスクマネジメントについて、概要から具体的な始め方・進め方まで解説し、おすすめのソリューションも紹介します。

リスクマネジメントとは

リスクマネジメントとは、自社の事業活動に関わるさまざまなリスクを予防・軽減することを目的にした取り組みです。リスクマネジメントでは、自社ビジネスにおける不確実性を計算し、その不確実性から生じるリスクを考え、予防措置・対応策を立案し、実施していきます。これにより、そうしたリスクが自社に与える損失を最小限に留めることを目指します。

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リスクマネジメントで想定されるリスク例

リスクマネジメントにおいて想定される「リスク」は多種多様です。参考までに、代表的なリスクを大別して示します。

  • 災害
    地震や台風、洪水のような自然災害をはじめ、火災や感染症の流行など、企業の物理的な資産や人命に関わるようなリスクです。テロ攻撃などの人為的な破壊活動の発生もこうしたリスクの一種です。
  • 事故や設備故障
    業務途中に発生する事故や設備故障なども、従業員の安全や自社の生産性に関わる大きなリスクです。停電やシステム障害などは、通常業務の遂行が困難になるリスクです。
  • 為替や金利変動
    経済のグローバル化が進む現在では、為替や金利変動などの金融リスクが企業の利益や支出に与える影響が、従来よりも大きくなっています。
  • サプライチェーンの分断
    サプライチェーンの分断リスクも企業が備えるべきリスクです。特に昨今では、国際情勢の緊張や新型コロナウイルスの流行などが、サプライチェーンに大きな不確実性を与えています。
  • 売上低下
    何らかの理由で「自社の商品・サービスが売れなくなる」というのも当然企業が懸念すべきリスクです。

このほかにも、マルウェアへの感染や情報漏洩などのICTに関するリスク、ハラスメントや内部不正といったコンプライアンスに関わるリスクなど、想定すべき脅威は多岐に渡ります。

リスクマネジメントとクライシスマネジメントの関係

リスクマネジメントと関連して語られる概念に「クライシスマネジメント」があります。これは「脅威の可能性は、完全にゼロにはできない」という前提の下で、初期対応や二次対応などを考える取り組みです。

つまり、リスクマネジメントは脅威に対する事前対応を重視するのに対し、クライシスマネジメントは事後対応を重点的に整備するという理解ができます。しかし、リスクマネジメントは事前対応・事後対応のどちらも想定すべきという考えから、クライシスマネジメントはリスクマネジメントの一部であると捉える意見もあります。

リスクマネジメントに取り組む際のプロセス

リスクマネジメントは基本的に以下の進め方で実施されます。

リスクを特定する

上記のように、企業を取り巻くリスクは多種多様です。リスクマネジメント実施にあたり、重要なリスクを見逃さないような状況を整えなくてはなりません。そのためさまざまな部署や立場の人材が集まって、想定されるリスクを洗い出すところから始めます。

リスクを分析する

リスク分析では、各脅威の発生確率・発生頻度・影響範囲・損失額などを分析するため判断基準の定義が必要となります。このリスク分析においては過去の事例なども参照し、上記の分析項目をできるだけ数値化して示すことが重要です。

リスクを評価する

続いてはリスク分析に基づいて、対応すべきリスクに優先順位をつけていきます。この際、さまざまなリスクを可視化するリスクマップを利用するのが有効です。

リスクへの対策を検討・実施する

上記の優先順位にしたがって、各リスクの被害を予防・軽減するための具体的な対策を検討し、実施に移します。また、この対策を実施・評価するためのスケジュールを立てることも重要です。

リスクへの対策をモニタリングする

時間変化に伴って新たなリスクが生じたり、以前のリスク対策が機能しなくなったりする場合もあります。そのため、「策定したリスク対策が想定通り機能しているか」を継続的にモニタリングすることが大切です。これにより発見された問題点を改善していくことで、リスクを最大限にカバーできます。

リスクマネジメントにおける2つの対策

リスクマネジメントにおける対策としては、主に「リスクコントロール」と「リスクファイナンス」の2種類が挙げられます。それぞれの概要は以下の通りです。

リスクコントロール

リスクコントロールとは、損失をできるだけ抑えるタイプの対策です。その主な対策方法は「回避」「損失防止」「損失削減」「分離・分散」の4種類に分類できます。

  • 回避
    リスクの発生そのものを避けるための対策です。例えば、自社の製品に使用している化学物質が「人体に有害である」と判明した場合、その化学物質を安全なものに代替するなどの対応策を講じます。
  • 損失防止
    完全に回避するのが難しいリスクに対して、その発生確率を最小限に抑えるための対策です。例えば、倉庫の在庫の盗難リスクをゼロにするのは現実的に不可能ですが、警備員増員・監視カメラ設置などでセキュリティを高めることで、リスクを低くすることは可能です。
  • 損失削減
    リスクの発生を受け入れて、脅威として現実化したときの損失を少なくするために講じる対策です。生産設備の非常停止ボタン、防火用のスプリンクラー、救命器具などはその典型例として挙げられます。
  • 分離・分散
    リスク要因を切り分けることで、リスクが顕在化した際に生じる損失を最小化する対策です。例えば、投資家は投資先を複数に分けることで、ひとつの投資で失敗しても資金全体に深刻な損害が出ないように計算します(分散投資)。あるいは製造業であれば、複数の工場を離れた場所に建設することで、大地震などにより製造設備がすべて損壊するリスクを減少させています。

リスクファイナンシング

リスクファイナンシングとは、リスクによって生じるコストを抑えるための対策です。この方法は、「移転」と「保有」の2種類に分類できます。

  • 移転
    リスクの移転とは、リスクへの対応や、顕在化したリスクによる損失の支払い義務を自社以外の別の組織に移す対策です。典型例としては保険の加入が挙げられます。また、ITシステムの管理運用やトラブル対応などを専門企業にアウトソーシングするなども一例です。
  • 保有
    リスクの保有または受容とは、リスクを認識しながら対応策を講じず、損失が発生した時に自己負担する方法です。これはそのリスクの発生確率や損失額が軽微なため対策の必要性が薄い場合や、そのリスクで生じる損失よりも対策のコストの方が高くつくような場合に取られる選択肢です。あるいは、業務上や財政上の都合などから、そのリスクを泣く泣く放置せざるをえないようなケースも含まれます。ただしもしリスクが顕在化した場合は、甘んじてその損失を受け入れることになります。

リスクマネジメントに活用できるSAPのソリューション

リスクマネジメントへ取り組む企業に紹介したいのが、SAP社の提供するGRCソリューションです。SAP社はERP製品で世界的に有名なソフトウェア企業で、GRCとは「Governance」「Risk」「Compliance」の頭文字を意味します。
つまりこのソリューションは、リスク管理と同時に、ガバナンスやコンプライアンスの強化も実現するサービスです。リスク分析やリスク評価をサポートする機能が搭載されており、内部不正などのガバナンスリスクや、不正アクセスなどのサイバーリスクに対してもシステム的に有効な対策が可能です。デジタルの力を借りてリスク対策を効率化するために、ぜひ導入をおすすめします。

まとめ

リスクマネジメントにおいては、災害や事故をはじめ、金融リスクや売上減少など、さまざまなリスクを予見し事前に必要な対策を備えておくことを指します。リスクマネジメントを進めるには、まずは自社を取り巻く膨大なリスクを洗い出し、その脅威の大きさに応じて優先順位を付けつつ、対策を講じていくことが重要です。
リスクマネジメント実施のため、SAP社の「GRCソリューション」をはじめとする、ITのサポートを受けるのも有効な手段です。リアルテックではSAP社の「GRCソリューション」の構築サービスも提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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