【SolMan活用-CCLM実践編】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減

 2015.07.30  リアルテックジャパン

はじめに

前回記事「【SolMan活用-CCLM概要編】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減」で、システム運用時、移行前に「アドオン現状の正確な把握」、「不要アドオン廃棄(削除)」と「アドオン品質改善」が重要だということを説明しました。しかし、現実的には手間もかかるしリスクもあるしと手を出せないこともあるかと思います。それらを助けるのがCCLM(Custom Code Lifecycle Management)というツールです。では、実際にCCLMを使ってどのように実行していくかを説明していきます。

なお本記事は、下記シリーズ記事の一部で、他記事も参照されることをお勧めします。

 

SAPデータコピーツール Data Sync Manager
SAPユーザー必見!テスト・トレーニング・データ移行時に機密データを守る方法は?

1 【SolMan活用-CCLM概要編】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減

2 【SolMan活用-CCLM実践編】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減【本記事】

3 【SolMan活用-CCLM次のステップ】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減

アドオン状況とトレンド把握

CCLMトップ画面を動かしてアドオン現況とトレンド把握をしているのが以下の動画です。

 

 

グラフィカル表示で状況把握しやすいようデザインが工夫されています。いろいろな情報を詰め込んでいるので、初見だとわかりにくいかもしれませんが、慣れると理解しやすいと筆者は感じています。トップ画面の役割は以下の情報で現状を把握することです。システムが自動的に下記情報を収集し、時系列に蓄積します。

  • アドオン種類:拡張(Exit、BAdi)、Modification(SAP標準オブジェクトの変更)、カスタムコード(拡張とModification以外)に分類
  • 重要度:使用ユーザ数、使用頻度、実行時間、データ増加量、テーブル使用率の組み合わせから重要度を5段階で決定
  • 品質:コードインスペクターのチェック結果で品質を良、中、低の3種類に分類します
  • 使用有無(用途):使用有無に分類

現状把握

アドオンの現状把握をするために下画面のダッシュボードを使用します。KPI(アドオン合計数、低品質のアドオン数等)を定義して、その達成可否をモニタリングしていきます。テンプレートとして7種類のKPIが使用可能です。

CCLM_ICI_KPI.jpg

CCLM_ICI_KPI_Total.jpg

品質改善

下画面を使って品質のモニタリングをします(動画の0:56から表示)。

CCLM_Quality.jpg

プログラムチェックに対する警告数推移を優先度ごとに把握できます。基本設定ではコードインスペクターによるチェック結果を使いますが、弊社製品のABAP Code Profilingによる高度なチェック結果を使用することも可能です。
この画面はあくまでモニタリング画面ですので、後続ステップとして地道なプログラム修正が必要です。
理想的には全アドオンの警告を0にすることですが、大量アドオンに対してすべて一律に品質改善をすることは現実的ではありません。そこで、CCLM上で重要度が高いものに絞って品質改善をします。また、パッケージ(開発クラス)など他基準で品質改善対象を決めることも有用です。

アドオン廃止(削減)

下画面を使ってアドオン廃止管理をします(動画の1:13から表示)。この画面はアドオンステータスとして、開発中から削除済までのライフサイクルを円グラフで確認できます。

CCLM_decommission.jpg

アドオン廃止のプロジェクトを登録して、廃止候補自動提案から廃止オブジェクトのバックアップ取得など廃止に関わる作業を実施するのが以下の画面です。

CCLM_decommission_project.jpg

多次元キューブに細かい情報(テーブルへの実行時間、プログラムが呼び出された回数など)が蓄積されているので、下記画面のように廃止候補をより細かく絞り込むことが可能です(Top10使用頻度のアドオン表示)。

CCLM_UPL_Query.jpg

さいごに

本記事では、実践編と題して「CCLMで運用時、移行前にやっておく3つのこと」について画面を紹介しながら説明しました。自動で正確なアドオン情報を収集・整理できるので、Excel等でのアドオン管理に比べて数段階手間や正確性の点で優れているかと思います。ただし、Excel等も更新、管理のしやすさの点で優れている点もあり、適材適所で使い分ける形となります。

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