SAPシステムの移送とは?
手順やおすすめのサービスを紹介

 2022.06.14  リアルテックジャパン株式会社

多くの企業が導入しているSAPシステムですが、ユーザーの悩みの1つとなっているのが移送です。仕様変更や新機能の実装を安全・確実に行うためには、移送に関する正しい知識が欠かせません。本記事では、SAPシステムにおける移送の概要や手順について解説するとともに、課題解決に有用なソリューションを紹介します。

SAPシステムの移送とは?

移送とは、SAPで追加・変更したデータオブジェクトを他環境へ反映させる機能です。システムにカスタマイズを追加したり、アドオン開発する際、不具合を最小限に抑えてシステムをアップデートさせる必要があります。これを実現するために使用する機能が移送であり、コンテナの中にオブジェクトを格納し、開発機→検証機→本番機の順で反映する仕組みになっているのです。

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SAP移送のよくある課題と解決策はこちらのブログで紹介しています。
SAP移送のよくある課題と解決策のご紹介

SAPシステムのレイヤー

SAP社が推奨しているのは、3ランドスケープと呼ばれる構成です。3ランドスケープとは、SAPにおいてシステムが安定的に稼働するための一般的な構成を指すものです。上述した開発機・検証機・本番機がその各レイヤーに該当し、このフェーズを経ることでカスタマイジングやプログラム開発を管理していきます。ここでは、各レイヤーが果たす役割について解説します。

開発機

プロジェクトにおいて最初に構築する開発機は、要件定義や設計のプロセスで確定した内容のカスタマイズを行うための環境です。すべてのプログラムやカスタマイズデータは開発機で設定されたのちに移送され、その後検証機へと反映される流れになっています。

3ランドスケープを採用する利点として、本番環境で使用されているデータの保護が挙げられます。また、開発や検証を行っている最中でも、エンドユーザーはシステムを利用し続けることが可能です。

検証機

「テスト機」とも呼ばれる検証機では、結合テストや移行のリハーサル、ユーザートレーニングなどあらゆるテストを行う目的で使用します。開発機で設定したオブジェクトを反映し、本番を想定したパフォーマンスのテストを実施します。つまり、製品のクオリティを確認して保証する役割を担うのが検証機です。このような特製から検証機は「品質保証サーバー(QAS)」とも呼ばれています。

開発機と本番機のあいだに検証機を置く理由には、移送が正しく実行できているかどうかをテストする意味も含まれています。データ移送のテストと移送後のバグチェックを行い、問題が見つからなければ本番機へと移送しますが、何らかの不具合が発見された場合には、開発機で修正を行い再び検証機へと移送しなければなりません。

本番機

本番機では、実際にエンドユーザーが使用する環境でシステムを実行します。開発・検証は既に完了しているため、開発者が本番機上でプログラムの編集を行うことは基本的にありません。本番機で不具合が発生した場合には、検証機で調査を行い、修正作業は開発機で実施します。

このように、移送における3ランドスケープでは、順番が逆に流れたり、入れ違ったりすることは原則的に認められていません。常に、開発機→検証機→本番機の順にしたがって進めます。

SAPシステムのデータ移送手順

データ移送の手順は、主に3ステップで実行されます。それぞれのプロセスで必要な作業と注意点について、正しく理解しておきましょう。

移送依頼を作成する

移送依頼とは、開発・変更した移送オブジェクトをコンテナに格納することです。開発機でアドオン開発やカスタマイズを行うと、移送依頼番号取得画面が表示されます。移送にはユーザーIDが紐づけられるため、誰がどのオブジェクトをいつ変更したのかが判別できるようになっています。

データ移送は移送依頼番号単位で行われるため、一緒に移送したいオブジェクトの追加や変更があれば、移送依頼番号を指定して紐づけることも可能です。移送依頼を行う際には、反映による影響の範囲やインポートのタイミングなどに十分に注意しましょう。内容を確認して保存ボタンを押せば移送依頼の取得は完了です。

リリース

リリースは移送依頼のクローズに該当します。そのため、リリースを行ったあとは、オブジェクトの変更や追加でオブジェクトの紐づけはできなくなってしまいます。もし、リリース後に変更が必要になった場合には、新たに移送依頼の作成を実施しなければなりません。

移送依頼のリリースは「トランザクションコード:SE01」で対象の移送依頼番号を選択して実行します。リリースした移送依頼は、そのままの状態で検証機や本番機へと移行されます。

エクスポート・インポート

リリース後には、移送対象のデータオブジェクトが自動的にエクスポートされます。その後、移送先のシステムにログインしてインポートを実行します。インポートの際は「トランザクションコード:STMS」を利用して、対象となるオブジェクトの移送依頼番号を選択します。移送が問題なく行われた場合には、ステータスが緑で表示されます。もし、不具合が発生している場合にはステータスが赤で表示されるので、原因の特定と適切な対処が必要になります。

SAPシステムの移送で企業が抱える問題

システム担当者の多くが、SAPシステムの移送業務に課題を抱えています。企業規模によっては、ひと月に膨大な移送作業が必要になるケースもあるでしょう。不具合のない万全の状態でデータ移送を完了させるには、確認・対処しなければならない項目が非常に多く、相応の時間と労力が必要です。

SAPシステム以外のソリューションと組み合わせてシステムを構築し、運用している企業も多く存在します。その場合、SAPシステムの移送作業が他のシステムに与える影響も考慮しなければならないため、より多くの課題が生じてくるでしょう。発生する移送件数が増えるほど移送依頼の管理は難易度が高くなり、移送に伴うトラブルや課題は多くなります。

たとえば「移送の影響範囲を特定しきれない」「オブジェクトの不備によるシステム障害の発生」「移送内容の適用ミス」など、さまざまなリスクが考えられます。移送業務の効率化が実現しなければ、必要なタイミングで移送を完了させることも困難になってくるでしょう。

それらの問題が解消されないままでは、拘束時間の増加をはじめシステム担当者にかかる負荷はさらに増大することとなります。IT人材の不足が叫ばれている昨今、これらの課題を解決に導くため、SAPシステムの移送に有用なソリューションの導入を検討する価値は十分にあるといえるでしょう。

リアルテックのSAP移送管理サービス

リアルテック社が提供するSAPシステム向けの変更管理ソフトウェア「theGuard! SmartChange」は、4つのモジュールで構成されています。それぞれの機能は、単体での活用はもちろん、統合して活用することも可能です。モジュールの1つとなる「Transport Management」は、SAPシステムの移送作業をサポートするソリューションです。移送状況の統合的な監視をはじめ、承認フローと品質をチェックする機能を実装しているため、SAPシステムの安全な変更が実現します。

リアルテック社のSAP移送管理サービスは、日々発生する移送依頼の正しい把握や適切なタイミングでの変更が実現するだけでなく、古いプログラムの適用防止など、多様な面からSAPシステムの移送作業を支えます。

まとめ

本記事では、SAPシステムにおけるデータ移送作業の概要と手順を解説しました。SAPシステムの移送は開発機・検証機・本番機の3つのレイヤーで構成されるケースが一般的です。また、移送の手順は移送依頼の発行から開始され、3つのステップに沿って進められていきます。移送作業は、不具合等の発生を抑止するための確認事項が多く、システム担当者にかかる負担は大きくなりがちです。SAPシステムの移送に課題を抱えているのであれば、リアルテック社のSAP移送管理サービスを導入して、リソースの最適化を目指しましょう。

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