クラウド型ERPの種類や用途

 2020.11.18  リアルテックジャパン

ERP(Enterprise Resource Planning:エンタープライズ・リソース・プランニング)における最初のブームが発生したのが、1990年代後半から2000年代にかけてです。当時のERPは世界の先進企業が持つベストプラクティスを導入するために注目され、大企業を中心に導入が進みました。しかしその代償として、膨大なアドオン開発によってERPの「塩漬け状態」を多く生み出しました。

昨今、再び巻き起こっているERPブームは「クラウド型ERP」が中心的存在になっています。本記事でご紹介するのは、その種類や用途です。一口にクラウド型ERPと言っても多様な種類が存在し、それぞれに用途が異なります。製品後の特徴と価格を紹介しますので、製品検討時の参考にしていただきたいと思います。

クラウド型ERP比較

SAP S/4 HANA

<製品の特徴>

「SAP S/4 HANA」

2027年末にサポート期限が終了するSAP ERP(2025年末から延長)、その後継となるのがSAP S/4 HANAです。ただし、アーキテクチャは従来のERPと大きく異なり、SAP独自開発のインメモリデータベースのSAP HANAを採用しています。インメモリ技術を全面的に搭載したSAP HANAをデータベース基盤にしたことで、従来に比べて非常に高速なデータ処理を可能にしています。また、SAP S/4 HANAはクラウド/オンプレミス両方での展開が可能です。

SAP S/4 HANAではシステムのレスポンスタイムが劇的に向上し、ビジネスプロセスの見直し・再設計が従来よりも簡単になります。エンドユーザーのオペレーション負担を少なくすることでTCO(Total Cost of Ownership/総保有コスト)を削減できます。さらに、データサイズが小さくなることで相対的にストレージコストも削減されます。

2019年第二四半期決算発表」では導入社数が11,500社に達したことを発表しており、Googleやマイクロソフト、伊藤忠商事やNECなどが採用していることを明らかにしています。

<製品の価格>

SAP S/4 HANAは利用する企業やユーザー数に応じた料金体系

SAP Business ByDesign

<製品の特徴>

SAP Business ByDesign

SAP Business ByDesignはSAP社が提供するERP製品の中で、中堅・中小企業向けのポジションで提供されている製品です。財務、顧客管理、人事、プロジェクト管理、調達・購買、サプライチェーン管理、ローカライゼーション等、ERPに欠かせない機能をコンパクトにまとめています。

さらに、プロフェッショナルサービス、製造、商社・卸、官公庁・公共機関のように業種別ソリューションを提供しており、業種ごとに特化したERPカスタマイズが可能です。ローカライゼーションでは130カ国以上の国で国際的なビジネスをサポートします。

<製品の価格>

基本パッケージ、ユーザータイプ、およびユーザー数に基づく月額制のサブスクリプション

Oracle Fusion Cloud ERP

<製品の特徴>

Oracle Fusion Cloud ERP

Oracle Fusion Cloud ERP (旧: Oracle ERP Cloud)は財務会計をはじめ、調達管理、プロジェクトポートフォリオ管理、リスク管理、統合業績管理(EPM)などの管理系業務、そして製造や物流などの業務システムにいたる、企業活動に関わる全ての情報を一元管理するERP(Enterprise Resource Planning)ですle Fusion Cloud ERP (旧: Oracle ERP Cloud)は財務会計をはじめ、調達管理、プロジェクトポートフォリオ管理、リスク管理、統合業績管理(EPM)などの管理系業務、そして製造や物流などの業務システムにいたる、企業活動に関わる全ての情報を一元管理するERP(Enterprise Resource Planning)です。

統合データモデル上にビジネスプロセスが構築されているため必要なモジュールを柔軟に組み合わせることで段階的な導入にも対応できます。

<製品の価格>

詳細の料金プランは非公開

Microsoft Dynamics 365 Business Central

<製品の特徴>

Microsoft Dynamics 365 Business Central

マイクロソフトが提供するクラウド型の統合ビジネスアプリケーション、Dynamics 365において、中堅・中小企業向けに必要な機能をコンパクトに提供し利用価格を抑えたのがDynamics 365 Business Centralです。

Dynamics 365自体、世界で22万社を超える企業で導入されており、126言語と43カ国以上の商習慣に対応しているグローバルERPでもあります。マイクロソフト製品との親和性が高く、Power BIによるインタラクティブな分析活動が可能です。

<製品の価格>

  • Business Central Essentials 7,160円/ユーザー/月額
  • Business Central Premium 10,870円/ユーザー/月額

NetSuite

<製品の特徴>

NetSuite

クラウド型ERPのリーディングカンパニーであり、1998年の創業以来一貫してクラウドERPを提供しているのが強みです。現在ではOracleに買収され、正式には「Oracle NetSuite」としてサービス展開しています。

ERP、CRM(CCustomer Relationship Management:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、Eコマースなどを含む主要な業務アプリケーション機能を単一システムで提供し、幅広い業種に対応しています。

<製品の価格>

詳細の料金プランは非公開

GRANDIT

<製品の特徴>

GRANDIT

コンソーシアム方式により業界を代表するSI(System Integrator/システム・インテグレーター)企業のノウハウを集大成した完全統合型Web-ERPで、経理、債権、債務、販売、調達・在庫、製造、人事、給与、資産管理、経費の計10モジュールにより構成されています。

さらにワークフロー、BI(ビジネスインテリジェンス)、EC等の拡張機能を標準搭載し、内部統制対応や多通貨機能、マルチカンパニー、柔軟な組織変更への対応など、企業活動に必要な機能を数多く盛り込んだ国産のクラウド型ERPです。

<製品の価格>

GRANDITの価格はライセンス、導入費、開発費から構成

クラウドERP freee

<製品の特徴>

クラウドERP freee

クラウド型会計ソフトとしてスタートしたfreeeが提供するクラウド型ERPです。前述したクラウド型ERP製品よりも適用範囲は限定的ですが、低価格でバックオフィス業務をカバーするのには適しています。

<製品の価格>

  • 会計プロフェッショナルプラン 39,800円~(月)
  • 会計エンタープライズプラン 別途お問い合わせ
SAPデータコピーツール Data Sync Manager
SAPユーザー必見!テスト・トレーニング・データ移行時に機密データを守る方法は?

様々な選択肢と比較したうえで、最適な選択を!

当社はSAP(今回ご紹介した製品のなかではSAP S/4 HANA)の導入や移行サービスが特に得意な会社ですが、今回は普段のブログとは少し違ったテイストで、いくつかのクラウド型ERPを紹介させていただきました。

最終的に1つのERPを選択する場合には、様々なERP製品を知ったうえで、拡張性や使いやすさ、業務とフィットするかどうかや、セキュリティ面やコストなども含めて検討をしなければいけません。ただ『安いから』や『流行っているから』と安直に選定、導入し、その後不満が出てきたり、使用しなくなったという声を耳にすることもあります。

様々な要素から最適な判断をされたうえで、SAP S/4 HANAを選択される場合には是非当社にご用命ください!

 

REALTECH GRCセキュリティ スターターパック

RECENT POST「SAP クラウド」の最新記事


SAP クラウド

SAPのクラウド移行前に押さえておきたい3つのポイント

SAP クラウド

SAPサポート期限「2025年問題」とは?

SAP クラウド

SAP HECとは?基幹システムをクラウド化するメリット

SAP クラウド

SAP移行時に考慮すべきポイントを解説

クラウド型ERPの種類や用途
New Call-to-action

RECENT POST 最新記事

RANKING人気記事ランキング

ブログ購読のお申込み