今回Nutanix社から機材の提供頂き、実機検証をする機会をいただきました。
検証結果はついては、【技術白書公開】SAP on Nutanix 基本性能検証結果報告書からダウンロード可能ですが、そこに書きれなかった内容を補足説明させて頂きます。
Nutanixの拡張方式はスケールアウトとなります。
スケールアウトでの拡張作業を想像すると手間がかかりそうなイメージがありますが、NUTANIXは期待を裏切ることなく、Prism上からの簡単な操作で拡張できるように作られています。
具体的には、Nutanixの筐体をラッキングしてホスト名やIPアドレスといった基本的な設定を実施後、ネットワークに接続します。すると、既存のクラスターが新しいサーバーを検出するので、Prismの画面からExpand Clusterのウィザードに沿って進めていくだけでスケールアウトの拡張作業が完了します。このウィザードは既存のVMの動作に影響しませんので、各VMを稼働したままで実行することができます。
既存のクラスターの持つストレージプールが1つだけの場合は、新サーバーのディスクは自動的にストレージプールに組み込まれます。ストレージコンテナの拡張が必要な場合は、別途マニュアル操作にて実施してください。
Expand Clusterのウィザードに入る前の注意点は、新サーバーのAcropolis Base Software(略称AOS)のバージョンとHypervisorのバージョンを既存クラスターに合わせておくことくらいです。ハードウェアのモデルやCPU世代、Memoryのサイズ、ディスクタイプとサイズ、PCIオプション等が既存のサーバーと一致している必要はありません。拡張できるサーバー台数にも技術的な制約はありませんが、耐障害性の観点からストレージコンテナのRedundancy Factorが2の場合は、32台以下にすることが推奨されています。しかしながら、Nutanixの柔軟な拡張性は評価に値すると思います。
さらに驚くべきことに、Nutanixは拡張だけでなく縮退も稼働状態のまま実行できるように作られており、この操作もPrismの画面で行うのみです。縮退(Remove)の単位はサーバーまたはディスクとなります。サーバーを指定してRemoveすると、データの移行処理が実行されるため時間を要しますので注意してください。Remove処理は複数サーバーに対して並行して実施できないため、1筐体に格納されている4サーバーをすべてRemoveする場合は、相応の処理時間を見ておく必要があります。
縮退の機能があることにより、下記のような保守期限によるサーバーのリプレース作業も無停止で安全に実施することができます。
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