今回Nutanix社から機材の提供頂き、実機検証をする機会をいただきました。
検証結果はついては、【技術白書公開】SAP on Nutanix 基本性能検証結果報告書からダウンロード可能ですが、そこに書きれなかった内容を補足説明させて頂きます。
内蔵ディスクを利用した分散ストレージというと、snapshotなどの外部ストレージで利用していた機能が使えなくなると感じられたかもしれませんが、DSFではsnapshotもcloneも圧縮も重複排除も利用可能です。今回はバックアップをテーマにsnapshotについて見ていきたいと思います。
Nutanixは先にも述べた通りsnapshotによるバックアップが可能です。VMにNutanix Guest Tool(NGT)をインストールしておくことで、VMのOSがWindowsの場合はVSSが利用可能となり、VMのOSがLinuxの場合はスクリプトによりVSSと同等の機能が利用可能となるため、アプリケーションレベルで整合性のとれたsnapshotバックアップを取得できます。
外部ストレージの場合は、snapshotの取得単位はストレージの領域となりますが、NUTANIXの取得単位はVMとなります。つまり、NutanixではVMを指定してしますので、VMに紐づくデータ領域のみがもれなくsnapshotとして取得されることになります。VMは複数指定が可能ですので、例えばERPとBWをセットにしてsnapshotを取ることで、リストアも1セットで実施できるようになります。もちろん、リストア時にERPだけリストアするといったことも可能です。
また、Nutanixにはクラウドコネクトという機能により、パブリッククラウド(Amazon Web ServiceまたはWindows Azure)へバックアップデータを転送することができます。システム監査の要件でバックアップデータの外部保管が求められるような場合でも有効な機能です。この機能は、災害対策機能の応用で、もともと災害対策向けにAsync DRとMetro AvailabilityというNUTANIXクラスター間でデータを同期する機能があり、そのAsync DRの送り先をパブリッククラウドにすることで実現したものです。
snapshotで取得したバックアップからのリストアにおいて、トランザクションログを使ったリカバリー(ロールフォワード)を念頭に置くと、OracleやSAP(Sybase) ASE、SAP HANAなどはロールフォワード可能ですがSQL Serverの場合はロールフォワードできませんのでご注意ください。SQL Server でロールフォワードをするためにはsnapshotを利用するバックアップ・リストア時に、Virtual Backup Device Interface (VDI) と呼ばれるAPI経由の操作をするツールが必要ですが、NUTANIXからは提供されていません。SQL Serverでのロールフォワードリカバリーが必須であれば、SQL Serverの機能を利用するバックアップ・リストアを別途実装する必要があります。
「Nutanix Web管理画面(Prism):SAP on Nutanix」もご参考にしてください。
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