SolManを使ってシステムを監視するために必要となる基本知識から考え方まで、下記3回を通じてご説明して参りました。
第1回:【SolMan】ランドスケープ管理で取り扱うデータと内部動作を解説します。
第2回:【SolMan】サテライトシステムの新規登録方法(LMDB)
第3回:【SolMan】Solution Managerで非SAPシステムを監視する(LMDB,sldreg)
まずは今までの記事からのおさらいで監視データの流れです。
①saposcolがOS・ハードウェア情報を収集し、XMLファイルに出力する。
②sldregがXMLファイルを読込み、OSハードウェア情報をSLDに登録する。
③SLDからLMDB、SMSYとデータの同期が行われる。
第3回の記事で③のところはすでにご説明済ですので、今回は①、②の手順を解説します。
まずは①の手順からです。
saposcolはBASISコンサルタントの方なら誰もが知っているプログラムです。まず、saposcolを引数「-h」で実行してみるとsaposcolで利用できるオプションが表示されます。下図の赤枠の引数「-b」を利用します。
「saposcol -h」
では、実際にsaposcol -bを実行してみましょう。すると以下の図のようにOS情報やハードウェア情報が含まれるXML形式のテキストが出力されます。これを以下のコマンドのようにリダイレクトしてXMLファイルとして保存しておいてください。
「saposcol -b > osinfo.xml」※XMLファイル名は任意
続いて②の手順の説明に移ります。
①の手順で作成したXMLファイルを基にOS・ハードウェア情報をSLDに転送・登録します。ここで使用されるプログラムが「sldreg」というプログラムです。
まずはSLDへの接続準備のためにsldregを利用した以下のコマンドを実行します。
「sldreg -configure slddest.cfg –usekeyfile」※CFGファイル名は任意
このコマンドを実行すると対話形式で図の赤枠にあるようなSLDへの接続情報を聞かれるので、Solution ManagerのSLD接続情報を入力してください。
User Name :SLD接続ユーザ名(SLDDSUSER、SOLMAN_ADMINなど)
Password :SLD接続ユーザのパスワード
Server Host :Solution Managerのホスト名またはIPアドレス
Port :SLDのポート
Use HTTPS :HTTPS通信の利用(yまたはn)
最後に接続情報が含まれるKeyファイルの生成について聞かれるので、yを入力します。
このコマンドの実行後、「slddest.cfg」ファイルと「slddest.cfg.key」ファイルが出力されます。
今度は生成したSLD接続情報を使って、XMLファイルをSLDへ転送しOS・ハードウェア情報をSolution Managerに登録する手順になります。
前の手順で作成したXMLファイルとCFGファイルを利用して以下のコマンドを実行します。
「sldreg -connectfile slddest.cfg -oldtransferdtd -file osinfo.xml」
コマンドのログにエラーが無いことが確認できればSLDにデータが登録されているはずです。
後はSLDのデータがLMDB、SMSYと同期するのを待ちます。仕組みの上では最長で15分でSMSYまで同期されるはずです。最後に、以下のSMSYの画面で、Non-SAPのLinuxシステムが登録されているのを見てみます。
このLinuxシステムは、Windows Hyper-V上に仮想マシンとして構築してあるので、製造業者が「Microsoft Corporation」、ハードウェア情報が「Virtual Machine」となっています。
もう1つサンプルとして検証で使ったデスクトップPCのデータがどのように見えるかは下記の通りです。
最後に、もしSMSYで表示されている内容を変更したい場合は、Content Maintenanceの画面からも登録内容の修正や追加・削除を行うことができます。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
REALTECH - SAP Competence Center
- カテゴリ: SAP情報
この記事に関するサービスのご紹介
導入/移行(プロフェッショナル)サービス
プロフェッショナルサービスでは主にSAPシステムの導入や移行、それに伴うテクニカルな支援を行います。ERPやS/4 HANA、SolManといった様々なSAP製品の新規導入、クラウドを含む様々なプラットフォームへのSAPシステムの最適な移行、保守切れに伴うバージョンアップ・パッチ適用等の作業だけでなく、パラメータ設計、パフォーマンスチューニング、導入・移行計画支援等についても対応いたします。
詳細はこちら