前回までの内容(これとこれ)でSolution Managerにおけるランドスケープ管理についての仕組みと手順をご説明しました。
Solution ManagerはSAPシステムの管理だけでなく、Non-SAPシステムの管理もできるように作られています。Non-SAPシステムの管理においても、OSやハードウェアの情報を含むランドスケープ情報はその基本となってきます。
今回は、Non-SAPシステムのOS・ハードウェア情報をSolution Managerに登録する方法の概要をご説明します。
Solution Manager 7.0でNon-SAPシステムのOS・ハードウェア情報を登録したことがある方もいるかもしれません。Solution Manager 7.0ではSMSYから手動でNon-SAPのシステムのOS・ハードウェア情報を登録することができました。しかし、前回の内容でありました通り、Solution Manager 7.1からはSMSYは基本的に照会機能だけとなっています。
以下の画面のように、実際にSolution Manager 7.1でSMSYの画面でNon-SAPのシステム登録を試してみます。
【SMSY】
そうすると以下のポップアップが出てLMDBのホストエディタの画面がWebブラウザで自動的に開きます。
【ポップアップ]
【LMDB ホストエディタ】
このLMDBのホストエディタからNon-SAPシステムのホスト名やIPアドレスなど一部の情報だけは登録することが可能です。
しかし、OSやハードウェアの情報などはLMDBから直接登録できないようになっています。Non-SAPシステムのOS・ハードウェア情報を正しく取得するには別の方法が必要になります。
前置きが長くなりましたが、ここからSolution Manager 7.1においてNon-SAPシステムのOS・ハードウェア情報を取得するための仕組みをご説明します。以下の図がNon-SAPシステムのOS・ハードウェア情報をSolution Managerに送る仕組みの概要図です。
まず、OS・ハードウェア情報を取得するためには、「saposcol」と「sldreg」という2つのプログラムが必要になります。これらのプログラムファイルは、SAP Host Agentのインストールフォルダに含まれています。Windowsの場合ですと、通常では「C:\Program Files\SAP\hostctrl\exe」のフォルダに含まれます。Linuxの場合ですと、通常では「/usr/sap/hostctrl/exe」のフォルダに含まれます。
データの流れを大きく分けると以下の3ステップになります。
①saposcolがOS・ハードウェア情報を収集し、XMLファイルに出力する。
②sldregがXMLファイルを読込み、OSハードウェア情報をSLDに登録する。
③SLDからLMDB、SMSYとデータの同期が行われる。
以上が概要になります。
LMDBが登場してからまだ間もないこともあり、このあたりの考え方を最初に理解しておくことでかなり楽になること必至です。
今回は以上となります、最後までお読み頂きありがとうございました。
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- カテゴリ: SAP情報
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