コンプライアンスとは? 意味や違反例、対策方法を徹底解説

 2023.06.07  リアルテックジャパン

経営者や従業員のコンプライアンス違反は、時に企業への大きなダメージに繋がります。場合によっては経営破綻にまで陥ることもあるため対策が必要です。
本記事ではコンプライアンスを遵守すべき理由、違反を引き起こす原因などを解説した上で、とるべき対策の具体例など、コンプライアンスを見直し強化していきたい方に役立つ情報をお伝えします。

コンプライアンスとは

コンプライアンスとは、企業が特定のガイドライン、法律、規則などを、守るべきルールとして規定し、それを遵守することを指します。
近年はITの発達によって、個人情報の流出や、従業員の不適切な言動に関する情報の拡散など、これまでになかった問題も増えています。企業がこうした問題から身を守るためには、法令遵守だけでなく、倫理観に基づいた規定も必要です。そのため、コンプライアンスでは、社会的規範、企業倫理、社内規定、就業規則など、幅広い分野にわたりガイドラインを設けなくてはいけません。

コンプライアンス違反の具体例

コンプライアンス違反には、「企業全体による違反」「経営者による違反」「従業員による違反」の3種類があります。たとえば、企業全体による違反では、労働基準法に違反した長時間労働、給付金の不正受給、食品・書類の偽装などが該当します。

経営者による違反にあたるのが、粉飾決算や不正会計、脱税などです。特によくあるのがその場しのぎでの粉飾決算ですが、発覚すれば信用問題に繋がり、企業経営が成り立たなくなる恐れもあります。従業員による違反では、部下などへのパワハラやセクハラ、個人情報漏洩、ソーシャルメディアでのモラルに欠けた言動などがよくあがる事例です。

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コンプライアンスを遵守するべき4つの理由

前述した違反の事例から、遵守しなければ大きな問題になることがわかるかと思います。ここではさらに、遵守すべき理由を4つにまとめ、解説していきます。

信用を失いかねないから

企業運営において、信用は重要な要素のひとつです。顧客は、企業の商品やサービスを求めて購入や利用をしますが、信用を失うと顧客が離れる可能性もあります。これは企業間の取引においてもそうです。取引先は、企業同士の信頼の元に成り立っており、これが崩れれば関係が破綻してしまいます。

経営破綻につながりかねないから

帝国データバンクの調査によると、2020年度のコンプライアンス違反による経営破綻は182件、その前年度は225件となっており、多くの企業がコンプライアンス違反で経営破綻しています。

違反内容は粉飾が一番多く、その他を除いた次が資金使途不正です。粉飾決算や横領などの不正な会計処理は、経営破綻を引き起こす大きな要因となることが、違反件数からもわかります。

情報の拡散が早まっているから

近年多くなっているのは、従業員のモラルに欠けた行動がソーシャルメディアで拡散される問題です。たとえば、お店の従業員が裏で悪口を言っていたことや、商品を汚す行為をしていたことが発覚するケースがあります。こうした行為が一度ソーシャルメディアにさらされると、すぐに社会全体に拡散されます。場合によっては社会問題にまで発展して、顧客の信用を大きく損なうこともあるでしょう。思わぬところから違反が露見し、悪い評判が広まる恐れのある昨今、コンプライアンス遵守の重要性がますます高まっています。

競争力を付けるため

故意でなくても、法令違反を犯している会社は株式上場ができません。上場時の審査を通過し、投資家の信頼と評価を得るためにも、コンプライアンスの遵守は重要です。企業のイメージがクリーンであればあるほど信頼性が高まり、経営戦略にとって有利になります。

コンプライアンス違反はなぜ起こる?

コンプライアンス違反が起こる過程を理解することで、対策に役立てることが可能です。

知識や理解不足

コンプライアンス違反の要因として多いのが、経営者や従業員の知識・理解不足です。
たとえば、従業員による会社の備品の私物化や、個人情報の持ち出し、無許可での自宅作業(時間外労働)、企業パソコンの私的利用などがあります。従業員本人だけでなく、経営者自身も理解不足から、これらの行動を従業員に許可を出している場合もあります。

過剰な目標設定

企業が従業員に対して過度なノルマを設定することで、コンプライアンス違反が起こることがあります。よくあるのが、業績に関するプレッシャーに常にさらされることで、不正をしなければ問題を解決できないという思考に陥ってしまうケースです。不適切な営業、ノルマを達成できない部下へのパワハラなど、社会問題に発展した例もあります。このような状態が当たり前となってしまうことで、従業員の間で違反という認識が薄れていきます。

ずさんな管理体制

管理体制がきちんと整備されていないと、不正なアクセスや粉飾決算など、社内不正を誘発する恐れがあります。特に個人情報を取り扱う企業は、情報の管理に注意が必要です。また、交通費や交際費の私的利用など、金銭的な違反にも気をつけなければいけません。管理体制が甘く違反しやすい環境を作ってしまうと、問題が常態化する恐れがあります。

コンプライアンス対策の具体例

コンプライアンス違反をなくすためには、適切な対策が必要です。対策としては、規定の作成と全体への周知をしなければいけません。このとき、規定が緩すぎると意味がなく、厳しすぎると業務が円滑に進まないという問題が起こるため、適度なラインを見極める必要があります。

規定・マニュアルを作成する

まず各企業の業務に合わせて、マニュアルや社内規定を作成する必要があります。規定の作成にあたっては、以下の要素を織り込みましょう。

  • 企業理念、行動規範
  • 企業全体が守るべき法令・制度
  • 自社に関連した法令・制度
  • 業務に合わせた規定
  • 業界に沿った規則・ガイドライン
  • 従業員が業務を行う上での規定

法令やモラルに違反しないように作成し、すでに規定がある企業では定期的な見直しや刷新も必要です。

コンプライアンス研修を実施する

コンプライアンスに関する規定を作成したら、次は従業員に周知する必要があります。作成したマニュアルを配布するのも良いですが、中身をちゃんと確認しなければ意味がありません。そこで、専門家を呼んでコンプライアンス研修を実施するのも良いでしょう。研修をすれば、マニュアルだけでは掴みづらい倫理観なども全体に周知でき、研修後はテストなどを実施することで理解度を確認できます。

SAPが提供するGRCソリューションでコンプライアンスを強化

コンプライアンスの強化には、ソリューションの導入も効果的です。SAP社が提供するGRCソリューションを利用すると、ガバナンス(Governance)、リスク(Risk)、コンプライアンス(Compliance)を効率的に管理・統制できます。このソリューションでは、「コンプライアンスや企業リスクの監視・分析・評価」「機密情報の保護」「サイバーセキュリティ強化」「国際取引管理」を統合的に行うことが可能です。

コンプライアンスに関するマニュアルや規定を作成しても、違反が必ずしも防げるわけではありません。違反を防ぐためには、事前の対策が必要です。また、トラブルが発生した際には迅速に動き、大ごとになるのを防がなければいけません。企業のリスクを統括して管理するGRCソリューションは、このような問題を解決する手段として効果的です。

まとめ

コンプライアンスは、企業が法令や規則、モラルを守り、健全に企業を運営していることを示すものです。適切に守られていないと、取引先や顧客からの信頼喪失や、企業環境の悪化につながる恐れがあります。経営破綻に陥る場合もあるため、コンプライアンスの規定は重要です。コンプライアンス対策としては、マニュアル作成や研修実施の他、ソリューションの導入が挙げられます。

企業に必要なGRCを一括で監視・管理する、SAP社のGRCソリューションは、問題発生の防止や、違反が生じた際の迅速な対応を可能にします。SAP社のGRCソリューション導入は、SAP関連のシステム構築や導入支援を得意とするリアルテックジャパンへ是非ご相談ください。

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