性能編1:Amazon クラウド- AWS/EC2でSAP環境構築(7/10)

 2010.06.28  リアルテックジャパン

前回はSAPインスタンスの稼働を確認しました。今回はシステムのパフォーマンスについて検証して参ります。下図はEC2上に作成したインスタンスの概要を表しています。前回作成したものがこれですね。

まず、SAPのインストール中にデータベースへデータをロードする処理がありますが、その実行時間について考察してみたいと思います。インストール時間の多くを占める処理ですがおよそ3時間程度となっておりました。インストール後のDBサイズはSQL Server 2008の行圧縮がかかった状態で約90GBですので、実際には110GB程度になるであろうと推測しています。以下のグラフはインポートされるオブジェクト毎の時間推移をグラフにしたものです。プロセッサが4つということで4並列にてインポートの処理を行っていました。

上述のデータ量に対する所要時間は、SAPシステムとしては小規模なものでは比較的一般的なものであると思います。つまりExtra Largeのインスタンスであれば性能という観点のみで言うならば使用に耐えうるものではないでしょうか。

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続いて、Amazonは複数のデータセンターを運営しているので、異なるサイトでパフォーマンスが変わったりするのかが気になるところです。試しにアメリカのVirginiaのサイトで全く同じ構成で、全く同じIDESのシステムを作成してパフォーマンスを計測してみました。その時のデータインポート結果のグラフが下図です。

どうやら10分くらい早いです。ハードウェアが全く見えないので不安でしたが、誤差の範囲程度に収まりました。サイトによって性能が著しく異なるということもなさそうです。

両者のグラフを重ねてみました。

徐々にシンガポールが遅れていっており、どこかのタイミングで極端に遅くなるということでもないようです。実はシンガポールで検証を行ったタイミングはリリースされた当日でした。もしかすると筆者のような人間が興味本位で一斉に使い出したために皆で足を引っ張り合ったのかもしれませんね。次回は性能編2をお送りいたします。

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