HANA Spatialエンジンを使った地図情報活用

 2016.01.22  リアルテックジャパン

日常で意識する地図情報

ここ最近、風邪を長引かせてしまい体調が悪いです。体調のせいで歩くのも避けたくて、いつも以上に徒歩での移動距離を短くしています。風邪の時に関わらず、距離などの地図情報は、日常生活で意識しているはずです。飲み会のレストラン、出張時のビジネスホテル探しなど地図情報は避けては通れない重要な要素です。
では、それだけ重要な地図情報をどれだけビジネスに活用しているでしょうか?ERPの顧客マスタに請求書、商品送付のために住所を持っているだけ、という場合も多いと思います。今日は、これまでの利用方法から一歩進んでHANAを使った地図空間情報活用の可能性について説明していきます。

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地図情報の基本

地図情報の基本は位置を示すことです。位置を示す対象として、顧客オフィス・営業員・自社資産の場所など基幹システムに関連するマスタだけでも多々あります。先日、紹介した記事でFioriでも顧客マスタに地図情報を表示しています。地図情報があることで、客先訪問をする際にスマホを片手に迷わずに移動できます。
Fiori Factsheet Map Enhanced.jpg

応用1:距離圏内

ただ地図空間情報を格納するだけであれば、緯度・経度をテーブル上に持てばいいだけなので、どんなDBでもできます。HANAが優れているのは、地図空間情報の計算を容易にできる点です。
例えば「顧客へのイベント案内送付対象として開催場所からXXkm以内に住んでいる顧客を探す」とした場合、ただ緯度・経度情報を持っているだけでは計算しにくいです。これがHANAであれば、SQL中に"ST_WithinDistance"という機能を使うことで、以下のような一文で計算できます。
Spatial_Withiin_SQL.jpg理解しやすいようにSAPUI5上の画面で見ると下図の形です(青い丸に囲まれた範囲がXXKm以内を示しています)。

Spatial_Withiin_Map.jpg

応用2:最寄り

最寄りの情報を確認したい場合もあるかと思います。例えば「客先に納入している機器が壊れて、修理のために最寄りのサービス員を確認したい」とした場合に、先の例と同様にただ緯度・経度情報を持っているだけでは計算がしにくいです。HANAではその要件をSQL中に"ST_Distance"という機能を使うことで、異可能ような一文で計算できます。

Spatial_Distance_SQL.jpg

応用:その他

他にも地図情報を使ったグルーピングもできます。グルーピングの例として、北海道の顧客を5グループに分けて管理する、などの活用方法があります(地図を見ながら手動で分類するのは手間がかかるので、SQLで自動分類するという意味です)。今回は、点の情報を紹介しましたが、線や面の情報も扱えます。

地図情報の活用

スマートフォンのGPSを利用して子どもの安否確認をすることはもちろん、浮気調査に使うなど地図情報活用例が増えています。コンシューマだけでなく企業でも活用の道が多くあるはずです。今までのERPから一歩進んだ業務改善の手助けになるかもしれません。
当記事を機に活用方法模索の一助となれば嬉しい限りです。


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