SAPシステムにオープンな世界
筆者はSAPシステムに2002年から関わっているので、SAP=ABAPという固定観念のようなものがまだまだ頭の根っこに残っています。しかし、IoTやらソーシャルメディアの時代に、SAPシステムもオープンな技術の割合が非常に大きくなっています(特にHANA)。今回はIoTシナリオの模擬としてHANAとRaspberry Pi(教育目的に作られた小型コンピューター)をオープンな技術で繋げてみました。PythonとODataで接続しているので、技術内容に馴染みのある方は多いと思います(そもそもIoT側技術者はSAP固有技術なんて知らないことがほとんどですし)。
本記事にある内容を活用例として、Blog記事「HANAで実現するスマートな時系列情報管理(Time Series Data)」を公開しました。
HANAとRaspberry Piのつなぎ方
下図がHANAとRaspberry Piを今回つないだ方法です。
Raspberry Pi上のPythonプログラムからODataを使ってSAP Gateway(旧称NetWeaver Gateway)に情報を送っています。使っている技術はPythonとODataなのでABAP等のSAP固有技術を知らなくても実装できます。
※今回のつなぎ方は、(紹介はしていませんが)S/4 HANAの機能を使うためにSAP Gatewayを使った連携方法にしています。他にも状況に応じて色々なつなぎ方(Smart Data StreamingやRemote Data Syncなど)があるのでご注意ください。
Raspberry Pi初期セットアップ
まずはRaspberry Piに以下を接続します。
- HDMIケーブルでモニタと接続(自宅のTVをモニタにしています)
- Micro USBで電源と接続
- USBでキーボード、マウスと接続
- LANケーブルでインターネットと接続
電源を入れて、こんな画面でRaspberry Piをセットアップしています。OSインストールに成功したら、無線LANの設定をします。モニタなしでSSHでアクセスできるように、起動時にRaspberry Pi自身のIPアドレスをメール送信するようPythonのプログラムを作って設定しました。
Raspberry Piに気温センサー取り付け
BMP180という気温センサーを取り付けました。ブレッドボード、ジャンパワイヤを使って接続しています。今回は手間を惜しんでハンダ付けしておらず、少し接続が不安定です。
Pythonを動かして実際に気温が取得できているかを見てみます。無事、取れています(温度以外に気圧と高度も取得しています)。
SAP GatewayへOData接続
SAPの外はオープンな世界
- カテゴリ: S/4HANA