SAP BO Design Studioで組織活性化を実現

 2016.01.13  リアルテックジャパン

オープンデータの推進

みなさんが住んでいる地域には裕福な人が多いか、貧しい人が多いかご存知でしょうか?最近できた「世帯年間収入マップ」というサービスで地域ごとの世帯収入割合を確認することができます。データ元は政府の公開統計情報、いわゆるオープンデータです。総務省は「電子行政オープンデータ戦略」にもとづいて情報公開(オープンデータ)を推進しています。紹介した「世帯年間収入マップ」以外にも、避難場所検索などオープンデータを使った面白いサービスが多々生まれています。総務省のページに詳しく載っていますが、オープンデータの目標は大きく3つとしています。

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SAPユーザー必見!テスト・トレーニング・データ移行時に機密データを守る方法は?
  1. 透明性・信頼性の向上
  2. 国民参加・官民協働の推進
  3. 経済の活性化・行政の効率化

主体や公開範囲こそ違えど企業内でもオープンデータという考え方は有効です。組織の継続的改善のために、マネージャーが「闊達な意見をください」だけだと、部下がの優れた意見を出すための判断材料が足りないことも多いです。情報公開をして意見の材料を提供した上で、「闊達な意見」が効果的になります。前記事「マルチデバイス・ブラウザ対応:Fiori KPI Modelerで業務部門意識改革」でKPI Modelerを使った分析の説明をしました。その内容はKPIのような日々の業務で実行する定型分析でしたが、今回は自由分析のツールとしてDesign Studioを説明します。

KPI ModelerとLumiraの隙間

KPI Modelerは目標とするKPI(出荷リードタイム、債権回転日数など)を日常的にモニタリングし、改善していくためのツールでした。いわゆる定型分析のためのツールです。一方、LumiraやPredictive Analyticsは非定型的な自由分析ツールです。様々なデータをいろいろな見せ方で新たな発見をするための分析ツールです。両者をイメージにすると下図のような形になります。

Analytics Compare.jpg

今回、紹介しようと考えているDesign Studioはその中間にあるソリューションです。KPI Modelerより自由度が高いですが、LumiraやPredictive Analyticsより自由度が低いです。位置づけとしては下図のイメージです。

Analytics Mapping.jpg

※当記事で解説しませんがDesign Studioは自由分析の用途以外にダッシュボードとしての使い方もあり、広い範囲をカバーしています。

Design Studioはこんな画面

Design Studioで生成した画面はこんな感じです。LumiraをWeb化したような画面で、分析軸やグラフの種類を自由に変更できます。ユーザがデータソースを選ぶこともできますが、LumiraやPredictive Analyticsのようなデータ加工や複数データソースの結合機能はありません。

Design Studio Screen.jpg

嬉しいのは、この画面が3分くらいでノーコーディング生成できる点です。下図のような画面でDesign Studioのテンプレートを選んで、あとはデータソースを選ぶだけです。今回はHANA Viewをデータソースとして選択していますが、BWオブジェクトもデータソースとして指定できます。

Design Studio Template.jpg

※以前、同様の機能・画面をSAPUI5で作ろうと考えたこともありましたが、コーディング量が多くて挫折したことがあります(時間が許せばできたかもしれませんが・・・)。今回の機能を調べた時にパッケージの素晴らしさを痛感しました。

統制の一元管理

データをオープンにするのはいいかもしれませんが、統制が気になるところです。例えば、全社売上情報をデータソースとした場合に、一般社員には所属部署情報のみが見られるように制限をかけたいものです。この場合、HANAではAnalytic Privilegeという機能を使って権限制御ができます。データ格納元で統制をかけることで、ExcelでもTableuでも権限の一元管理ができるようになります。

Analytic Privileges.jpg

日本人の得意とする組織の力

今回の記事ではDesign Studioでの分析アプリケーションを通じたオープンデータ推進を説明しました。

忙しいマネージャーは目の前の仕事に忙殺されて、視野が狭くなっていたり、組織改善検討の時間がないことも多いかと思います。そのような場合に、時間に余裕のある部下から数値にもとづいた合理的な改善提案があると組織が活性化するのではないでしょうか。日本人の得意とする「カイゼン」・組織力の見せ所となるかもしれません。

Design Studio自体はダッシュボードなど他用途もありますので、また紹介していきます。


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