先に下記2つの記事を通じて、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)が出てきた背景を説明してきました。
サーバ仮想化の次の一手:ハイパーコンバージドインフラ(HCI)
そもそもSAPプラットフォームでどうだという前に、現時点では共通基盤としてHCIが先にあって、その中にSAPが乗っかっるんですよというニュアンスが正しいように思います。
ということで、HCIの概要という意味で今回は「SAPとの繋がり」という話をしたいと思います。
弊社がHCIを追っかけ始めたきっかけですが、昨年(2015年)の10月に下記のニュースが飛び込んできました。
Nutanix: First Hyperconverged Vendor with SAP Certified Platform
本ブログをお読み頂く方はSAP関係者が多いのでご存じか思いますが、SAPシステムを稼働させるための基盤環境は、SAP社が認定するプラットフォーム製品である必要があります。この認定作業が結構なプロセスでして、コストも時間もかかる、なかなかの代物なのですが、それをNUTANIXさんがパスしたというニュースです。
実はこの認定に新しいベンダーさんがパスされるのは結構珍しいことなのです。
NUTANIXさんを調べていくうちに、いろいろわかってきました。
ガートナー社のレポートにもあるようにHCIでリードしている会社であること、その製品は先の記事で引用していた元Google社エンジニアが参画して創業しており(参考外部記事:「Googleの“心臓部”から生まれた気鋭のベンチャー「Nutanix」の革新性」)、そこに名だたるベンダーのエース級のエンジニアが参画し、ある意味既存のしがらみに一切捕らわれず優れた製品が創られているようです。例えば管理画面が今までになくシンプルで秀逸なI/Fで、省力化に繋がっているのは間違いないのですが、これは元Appleのエンジニアが関与しているとのこと。なんといいますが、今までにない新鮮さを感じました。そんなこんなで年末にまた驚きのニュースハイパーコンバージドインフラのNutanixがIPOを申請が飛び込んできました。IPOで2億ドルを調達予定とのことで、今のタイミングで金物を担ぐベンダーさんがIPOするという話です。さらに遡ると、2014年にSAP社のベンチャーキャピタルであるSAP Venturesからも資金調達を受けていたこともわかりました。
本記事執筆時点では、SAP環境の稼働がサポートされるハイパーバイザとしてはVMwareが先行しそうで、ベンダー各社から続々とHCIに関する製品が出てきておりますので、これからSAP基盤を見直しされるお客様は要チェックです。
最後にNUTANIXさんのWebのバナーにあるメッセージがHCIの位置づけを表していて秀逸だったのでご紹介します。
NUTANIX社 SAP Runs on Nutanix
VMware 社 SAP on VMware Virtual SAN
- カテゴリ: クラウド