増え続けるクラウドサービスのIDとパスワード管理に、頭を悩ませていませんか?「便利になったはずが、かえって管理が煩雑でセキュリティも心配…」と感じている方も多いのではないでしょうか。その課題、シングルサインオン(SSO)を導入することで解決できるかもしれません。
この記事でわかること
- シングルサインオン(SSO)の基本的な意味と仕組み
- SSOがなぜ今、ビジネスに不可欠なのかという背景
- 主な認証方式(SAML認証など)の特徴と選び方
- 導入によるメリットと、知っておくべきデメリットへの対策
- 自社に最適なSSO製品・サービスを選ぶための具体的なポイント
本記事では、一見難しく感じるシングルサインオンについて、その基本から専門的な認証方式、導入のメリット・デメリット、さらには失敗しない製品の選び方まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。この記事を最後まで読めば、なぜ多くの企業がSSOを導入するのかを深く理解し、自社に最適なセキュリティ対策と業務効率化への第一歩を踏み出せるようになります。
シングルサインオン(SSO)の基本を徹底解説
近年、ビジネスシーンにおいて「シングルサインオン(SSO)」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。しかし、その意味や仕組みを正しく理解できているか不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。この章では、シングルサインオンの基本的な概念から、なぜ今これほどまでに重要視されているのか、そして身近な「ソーシャルログイン」との違いまで、分かりやすく解説していきます。
シングルサインオンとは?1回の認証で複数サービスにログインできる仕組み
シングルサインオン(Single Sign-On、略してSSO)とは、1回のユーザー認証(IDとパスワードによるログイン)で、連携している複数のクラウドサービスやアプリケーションに、追加の認証なしでログインできる仕組みのことです。
通常、私たちは利用するサービスごとにIDとパスワードを設定し、その都度入力してログインする必要があります。例えば、業務で「Microsoft 365」のメールを確認し、次に「Salesforce」で顧客情報をチェック、さらに「Google Workspace」で資料を共有する場合、本来であれば3回ログイン作業を行わなければなりません。シングルサインオンを導入すると、朝一番に会社のポータルサイトやPCに一度ログインするだけで、これらすべてのサービスに自動的にログインできるようになります。 これにより、ユーザーはログインのたびにIDとパスワードを思い出し、入力するという煩わしさから解放されます。
なぜ今シングルサインオンが重要視されるのか?その背景
では、なぜ今、多くの企業がシングルサインオンに注目しているのでしょうか。その背景には、近年の働き方の大きな変化と、それに伴うIT環境の変化があります。
最大の理由は、クラウドサービスの爆発的な普及です。総務省の調査によると、2021年には7割以上の企業が何らかのクラウドサービスを利用していると回答しており、その割合は年々増加傾向にあります。 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、コロナ禍をきっかけとしたリモートワークの定着により、企業はSaaS(Software as a Service)をはじめとする多様なクラウドサービスを導入し、業務効率化を図っています。
この結果、従業員一人ひとりが管理しなければならないIDとパスワードの数は飛躍的に増加しました。ある調査では、1人の従業員が業務で利用するSaaSアプリケーションの数は数十個にものぼると言われています。これだけ多くのIDとパスワードを記憶し、適切に管理することは現実的ではありません。その結果、以下のような問題が発生しやすくなります。
- パスワードの使い回し: 覚えきれないため、複数のサービスで同じパスワードを使い回してしまい、一つのサービスから情報が漏洩すると他のサービスにも不正アクセスされるリスクが高まります。
- 簡易なパスワードの設定: 「password123」のような推測されやすい単純なパスワードを設定してしまいがちです。
- 不適切なパスワード管理: パスワードを付箋に書いてモニターに貼ったり、テキストファイルに保存したりするなど、情報漏洩に直結する危険な管理方法が横行します。
- 管理者・ヘルプデスクの負担増: 「パスワードを忘れました」といった問い合わせが頻発し、情報システム部門の担当者がパスワードリセット作業に追われることになります。
シングルサインオンは、こうしたID・パスワード管理の煩雑化に起因するセキュリティリスクの増大と、生産性の低下という2つの大きな課題を解決する有効な手段として、その重要性を増しているのです。
身近な例で理解するSSOとソーシャルログインの違い
シングルサインオンと似た仕組みに「ソーシャルログイン」があります。皆さんも、Webサイトやアプリに会員登録する際、「Googleアカウントでログイン」「LINEでログイン」といったボタンを見たことがあるでしょう。これもシングルサインオンの一種と見なされることがありますが、一般的には利用される目的やシーンによって区別されています。
一言でいうと、企業内の業務利用がメインの「シングルサインオン」と、一般消費者向けのサービス利用がメインの「ソーシャルログイン」という違いがあります。両者の違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | シングルサインオン(SSO) | ソーシャルログイン |
|---|---|---|
| 主な目的 | 業務効率化、セキュリティ強化、ID管理の効率化 | 会員登録・ログインの簡略化、ユーザー体験の向上 |
| 利用シーン | 企業内システム、業務で利用する複数のクラウドサービス(Microsoft 365, Salesforceなど)へのログイン | ECサイト、SNS、各種Webサービスなどへの会員登録・ログイン |
| 主な利用者 | 企業の従業員(BtoE: Business to Employee) | 一般消費者(BtoC: Business to Consumer) |
| 利用するID | 企業が管理・発行するID(Active Directoryなど) | 個人が所有するSNSやプラットフォームのID(Google, X, Facebook, LINEなど) |
| アカウント管理者 | 企業の情報システム部門 | 各SNS・プラットフォーム事業者(Google, LINEなど) |
このように、ソーシャルログインはユーザーがプライベートで利用しているアカウントを使って、サービスへの登録ハードルを下げることを目的としています。 一方、シングルサインオンは企業が管理する認証基盤によって、従業員が業務で利用する様々なシステムへのアクセスを安全かつ効率的に行うことを目的としています。両者は似て非なるものと理解しておくと良いでしょう。
シングルサインオンを実現する主な仕組み(認証方式)

シングルサインオン(SSO)を実現するには、複数の認証方式が存在します。一見複雑に感じるかもしれませんが、それぞれの仕組みと特徴を理解することで、自社の環境や目的に最適な方式を選択できます。ここでは、主要な認証方式を一つずつ詳しく解説していきます。
クラウドサービスと相性の良い「SAML認証方式」
SAML(Security Assertion Markup Language)認証方式は、現在のクラウド時代において最も標準的なSSOの実現方法の一つです。「サムル」と読み、異なるインターネットドメイン間でユーザーの認証情報を安全に交換するためのXMLベースの標準規格です。
この方式では、ユーザーの認証情報を管理する「IdP(Identity Provider)」と、ユーザーが利用したいサービスである「SP(Service Provider)」の2者が連携して認証を行います。 具体的には、ユーザーが一度IdPで認証を受ければ、その認証情報(SAMLアサーションと呼ばれる)をSPに引き継ぐことで、SPはパスワードなしでログインを許可する仕組みです。
Microsoft 365やGoogle Workspace、Salesforceといった多くの主要なクラウドサービスがSAMLに対応しており、これらのサービスを安全かつシームレスに連携させたい場合に最適です。
- メリット:
- 標準規格であるため、対応するクラウドサービスが多い。
- パスワードそのものをサービス提供者(SP)に渡さないため、セキュリティが高い。
- 異なるドメイン間でのSSOを実現できる。
- デメリット:
- 連携先のサービス(SP)がSAMLに対応している必要がある。
- SAML非対応の古い社内システムなどとは連携が難しい場合がある。
幅広いアプリケーションに対応可能な「代行認証(フォームベース)方式」
代行認証方式は、その名の通り、ユーザーに代わってシステムがIDとパスワードを自動的に入力することでSSOを実現する方式です。 一般的には、ユーザーのPCにインストールされたエージェント(専用ソフトウェア)やブラウザの拡張機能が、サービスのログイン画面を検知し、あらかじめ記憶しておいた認証情報を自動で送り込みます。
この方式の最大の強みは、連携先のサービス側に特別な対応が不要である点です。 SAMLに対応していないような古いWebアプリケーションや、独自のログイン画面を持つ社内システムなど、幅広い対象にSSOを適用できる柔軟性があります。
- メリット:
- SAML非対応のシステムや改修が困難なパッケージソフトにもSSOを導入できる。
- 導入対象システムの制限が比較的少ない。
- デメリット:
- ログイン画面のデザインやHTML構造が変更されると、自動入力が失敗する場合がある。
- 認証情報(ID/パスワード)をSSOシステム側で安全に保管・管理する必要がある。
- クライアント端末ごとにエージェントの導入や設定が必要になる場合がある。
既存のWebサーバーに組み込む「エージェント方式」
エージェント方式は、SSOの対象となるWebアプリケーションサーバー自体に「エージェント」と呼ばれる専用のソフトウェアモジュールを組み込む方式です。 ユーザーがWebアプリケーションにアクセスすると、このエージェントがSSOサーバーと通信し、認証済みであるかを確認します。認証済みであれば、アプリケーションへのアクセスを許可する仕組みです。
アプリケーションサーバー単位で導入するため、リバースプロキシ方式に比べて特定のサーバーへの負荷集中を避けやすく、大規模な環境にも対応しやすい特徴があります。 また、ネットワーク構成を変更する必要がないため、既存の環境への影響を最小限に抑えたい場合に適しています。
- メリット:
- ネットワーク構成の変更が不要。
- アクセスが集中してもサーバー負荷を分散しやすい。
- アプリケーションの追加といった拡張にも柔軟に対応できる。
- デメリット:
- SSO対象のサーバーごとにエージェントのインストールと設定が必要で、導入・運用コストがかさむ場合がある。
- エージェントが対応するOSやWebサーバーのバージョンに制約がある。
ネットワーク構成の変更が不要な「リバースプロキシ方式」
リバースプロキシ方式は、ユーザーの端末とWebアプリケーションの間に「リバースプロキシ」と呼ばれる中継サーバーを設置し、すべてのアクセスをこのサーバー経由に集約することでSSOを実現します。 ユーザーからのアクセスをリバースプロキシが受け止め、未認証であれば認証サーバーへ誘導し、認証済みであれば代理でアプリケーションに認証情報を渡してアクセスを中継します。
各Webアプリケーションサーバーにエージェントを導入する必要がなく、既存システムへの変更を最小限に抑えられるため、比較的短期間での導入が可能です。
- メリット:
- 対象サーバーへのエージェント導入が不要で、導入やメンテナンスの負担が少ない。
- Webサーバーの存在を外部から隠せるため、セキュリティを高める効果も期待できる。
- デメリット:
- すべての通信がリバースプロキシサーバーに集中するため、サーバーの負荷が高くなりやすく、性能ボトルネックや単一障害点になる可能性がある。
- 経由するようにネットワーク構成の変更が必要になる場合がある。
- 基本的にWebシステム(HTTP/HTTPS通信)が対象であり、それ以外の通信プロトコルには対応できない。
Windows環境で標準的な「ケルベロス認証方式」
ケルベロス認証は、特にWindowsのActive Directory環境で標準的に利用されている認証方式です。 ギリシャ神話の番犬「ケルベロス」が名前の由来で、堅牢なセキュリティを特徴とします。
この方式では、ユーザーが最初にActive Directoryドメインにログイン(Windows PCへのサインイン)する際に認証を受けると、KDC(鍵配送センター)から「チケット」と呼ばれる認証情報が発行されます。 以降、ユーザーが社内のファイルサーバーやケルベロス認証に対応したアプリケーションにアクセスする際は、パスワードを再入力することなく、このチケットを提示するだけで安全に認証が行われます。
- メリット:
- Active Directory環境との親和性が非常に高く、Windows統合認証としてシームレスなSSOを実現できる。
- 一度ログインすればユーザーはパスワード入力を意識する必要がないため、利便性が高い。
- 古くから利用されており、信頼性と安全性が高い実績のある方式。
- デメリット:
- 原則としてActive Directoryのドメイン(管理範囲)内での利用が前提となり、ドメイン外のクラウドサービスなどとの連携は複雑になりがち。
- 導入にはActive Directoryに関する専門知識が必要。
その他の認証方式(透過型方式など)
上記以外にも、比較的新しい方式として「透過型方式」があります。これは、ユーザーとWebアプリケーション間の通信を監視する専用のサーバー(アプライアンス)をネットワーク経路上に設置する方式です。 ユーザーが認証を必要とするページにアクセスしたことを検知すると、通信に認証情報を自動的に挿入することでログインを代行します。
エージェントの導入やリバースプロキシのような大幅なネットワーク構成の変更が不要で、クラウドやオンプレミス、さまざまな端末やブラウザに幅広く対応できる柔軟性がメリットです。 ただし、この方式に対応した専用の製品が必要となります。
どの方式を選ぶべき?目的別の認証方式比較
ここまで解説した各認証方式の特徴は、それぞれ一長一短です。自社にとって最適な方式を選ぶためには、SSOを導入したい対象システムの環境(クラウドか、オンプレミスか)、導入・運用のコスト、セキュリティ要件などを総合的に比較検討することが重要です。以下の比較表を参考に、自社の状況に合った方式を見つけてください。
| 認証方式 | 主な連携対象 | 導入の容易さ | ネットワーク構成変更 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SAML認証方式 | クラウドサービス | 連携先が対応していれば容易 | 不要 | クラウド連携の標準。セキュリティが高い。 |
| 代行認証方式 | Webアプリ全般、C/Sアプリ | 比較的容易 | 不要 | SAML非対応の古いシステムにも対応可能。 |
| エージェント方式 | オンプレミスWebアプリ | サーバー毎に導入が必要 | 不要 | 大規模環境での負荷分散に強い。 |
| リバースプロキシ方式 | オンプレミスWebアプリ | 比較的容易 | 必要 | 既存システムへの影響が少ない。 |
| ケルベロス認証方式 | Windowsドメイン内サービス | AD環境が前提 | 不要 | Active Directoryとの親和性が非常に高い。 |
シングルサインオン導入のメリット

シングルサインオン(SSO)の導入は、単にログインの手間を省くだけでなく、企業活動における「生産性」「管理コスト」「セキュリティ」の3つの側面で大きなメリットをもたらします。一見、複雑に思えるかもしれませんが、その効果は非常にシンプルかつ強力です。では、具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
利用者の利便性向上と業務効率化
最大のメリットは、従業員一人ひとりの利便性が劇的に向上し、本来の業務に集中できる時間が増えることです。 多くの企業では、チャットツール、Web会議システム、勤怠管理、経費精算など、日常的に複数のクラウドサービスを利用しています。SSOがなければ、従業員はサービスごとにIDとパスワードを記憶し、都度入力しなければなりません。
この繰り返し発生するログイン作業は、たとえ1回あたりは数十秒でも、積み重なると膨大な時間的損失となります。例えば、従業員1000人の企業で、1人あたり1日平均5つのサービスにログインし、1回30秒かかると仮定します。この場合、企業全体で1日あたり約41.6時間、年間(240日勤務)では約10,000時間もの時間がログイン作業だけで失われている計算になります。SSOを導入すれば、この時間をまるごと削減し、より生産的な業務に充てることが可能になるのです。
具体的には、以下のような効果が期待できます。
- ログイン時間の短縮:毎日のログイン作業から解放され、すぐに業務を開始できます。
- パスワード忘れの防止:覚えるパスワードが1つだけになるため、「パスワードを忘れて再設定する」といった不毛な時間をなくせます。
- 業務の中断を防ぐ:サービスを切り替える際のログイン作業で思考が中断されることがなくなり、スムーズな業務遂行を支援します。
- 多様な働き方への対応:リモートワークや出張先など、場所やデバイスを選ばずに必要なシステムへ迅速にアクセスできるようになります。
管理者の負担軽減とID管理コストの削減
シングルサインオンは、利用者だけでなく情報システム部門の管理者にとっても大きなメリットがあります。それは、ID管理にまつわる運用負荷と関連コストを大幅に削減できる点です。
従業員の入社、異動、退職のたびに、管理者は複数のシステムで個別にアカウントを発行・変更・削除する必要があり、これは非常に煩雑で時間のかかる作業です。特に退職者のアカウント削除漏れは、不正アクセスの温床となりかねない重大なセキュリティリスクです。SSOを導入すれば、ID情報を一元管理できるため、これらの作業を一度で済ませることができ、管理業務が大幅に効率化されます。
また、従業員からの「パスワードを忘れました」という問い合わせは、ヘルプデスク業務の中でも特に多いものの一つです。SSOによってこの問い合わせが激減するため、管理者はより重要度の高い業務にリソースを集中させることができます。
| 管理業務 | SSO導入前 | SSO導入後 |
|---|---|---|
| アカウント発行・削除 | 利用するサービスごとに手動で対応。手間がかかり、削除漏れのリスクも。 | 一元管理され、一度の操作で完了。迅速かつ確実。 |
| パスワードリセット対応 | 従業員からの問い合わせが頻発し、ヘルプデスクの主要業務に。 | 問い合わせが激減し、ヘルプデスクの負荷を大幅に軽減。 |
| アクセス権限の管理 | サービスごとに権限設定が必要で、管理が複雑化。 | 統一されたポリシーに基づき、効率的かつ正確に権限を管理。 |
| IDの棚卸し | 各サービスのID情報を突き合わせる必要があり、膨大な工数がかかる。 | 管理画面で利用状況を一目で把握でき、棚卸しが容易に。 |
統一されたポリシーによるセキュリティレベルの向上
利便性の向上やコスト削減に加え、企業全体のセキュリティガバナンスを強化できることも、シングルサインオン導入の極めて重要なメリットです。 従業員任せのパスワード管理には、どうしてもセキュリティリスクが伴います。
例えば、以下のような問題に心当たりはないでしょうか?
- 複数のサービスで同じパスワードを使い回している
- 「password123」のような推測されやすい単純なパスワードを設定している
- パスワードを付箋に書いてモニターに貼っている
これらの行為は、一つでも破られると連鎖的に被害が拡大する危険性をはらんでいます。SSOを導入することで、認証をシステムで中央集権的に管理し、企業として統一された強固なセキュリティポリシーを適用できます。 具体的には、パスワードの文字数や複雑性の強制、定期的な変更の義務付けなどが可能になります。これにより、個人のセキュリティ意識に依存しない、高レベルなセキュリティ体制を構築できるのです。
さらに、多要素認証(MFA)との連携も容易になります。IDとパスワードの知識情報だけでなく、スマートフォンへの通知や生体認証といった所有情報・生体情報を組み合わせることで、万が一パスワードが漏洩した場合でも不正アクセスを強力に防ぐことが可能です。 また、誰が・いつ・どのサービスにアクセスしたかというログを一元的に監視できるため、不審なアクティビティの早期発見にも繋がります。
知っておくべきシングルサインオンのデメリットと対策

シングルサインオン(SSO)は、業務効率とセキュリティを飛躍的に向上させる強力なソリューションですが、その導入には光と影があります。一見すると完璧に見えるこの仕組みにも、事前に理解しておくべきデメリットが存在します。しかし、ご安心ください。これらのデメリットは、適切な対策を講じることで、そのリスクを十分に管理することが可能です。ここでは、SSO導入を成功に導くために不可欠な3つの主要なデメリットと、その具体的な対策について詳しく解説します。
不正アクセス時の被害拡大リスク
SSOの最大の懸念点は、認証情報が一度漏洩してしまった際の被害の大きさです。SSOは、1つのマスターキーで全ての部屋のドアを開けられる状態に例えることができます。このマスターキー(IDとパスワード)が盗まれれば、攻撃者は連携している全てのサービスやアプリケーションにアクセスできてしまい、被害がドミノ倒しのように拡大する危険性をはらんでいます。
例えば、ある従業員のアカウント情報がフィッシング詐欺によって漏洩したとします。SSOが導入されている環境では、攻撃者はその情報を使って、メールシステムだけでなく、顧客情報が詰まったCRMシステムや、機密情報が保管されているファイルサーバーにまで侵入できてしまうかもしれません。このように、利便性の裏側には、侵入を許した場合の被害が甚大になるというリスクが潜んでいるのです。
対策:多要素認証(MFA)との併用が不可欠
この深刻なリスクに対する最も効果的かつ現実的な対策は、多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)を併用することです。多要素認証とは、ログイン時に複数の「要素」を組み合わせて本人確認を行う仕組みです。これにより、仮にパスワードが漏洩したとしても、不正アクセスを水際で防ぐことができます。
認証の3要素には、以下のものがあります。
- 知識情報:本人だけが知っている情報(パスワード、PINコードなど)
- 所有物情報:本人が持っている物(スマートフォンへのプッシュ通知、ICカード、ワンタイムパスワードトークンなど)
- 生体情報:本人の身体的特徴(指紋、顔、静脈など)
SSOが「どのサービスへのアクセスを許可するか」という役割を担うのに対し、MFAは「アクセスしようとしているのが本当に本人か」を厳格に検証する役割を果たします。SSOとMFAは、まさにセキュリティと利便性を両立させるための車の両輪と言えるでしょう。
| 要素1 | 要素2 | 具体例 |
|---|---|---|
| 知識情報(パスワード) | 所有物情報(スマートフォン) | IDとパスワード入力後、スマートフォンの認証アプリに届くプッシュ通知を承認してログインする。 |
| 知識情報(パスワード) | 生体情報(指紋) | IDとパスワード入力後、PCの指紋センサーで本人確認を行ってログインする。 |
認証システム障害による業務停止リスク
次に考慮すべきは、SSOシステム自体が停止してしまった場合の業務への影響です。全ての認証をSSOシステムに集約するということは、そのシステムが「単一障害点(SPOF:Single Point of Failure)」になる可能性があることを意味します。つまり、万が一SSOシステムに障害が発生すると、連携している全てのサービスに誰もログインできなくなり、業務が完全に停止してしまうリスクがあるのです。
これは、交通網のすべてをコントロールする中央管制室が機能停止に陥るようなものです。各列車(アプリケーション)は正常でも、管制室(SSOシステム)からの許可が出ないため、動くことができません。特にクラウド型のSSOサービス(IDaaS)を利用している場合、サービス提供者側で大規模な障害が発生すると、自社では対処のしようがなく、復旧を待つしかなくなります。
対策:冗長化や信頼性の高いサービスの選定
では、どのようにこのリスクに備えればよいのでしょうか。答えは、システムの「冗長化」と「信頼性の高いサービスの選定」にあります。
まず、オンプレミス型でSSO環境を構築する場合は、認証サーバーを複数台用意し、負荷分散装置(ロードバランサー)を用いて冗長構成を組むことが不可欠です。これにより、1台のサーバーに障害が発生しても、もう一方のサーバーで認証処理を継続できます。
クラウド型サービス(IDaaS)を選定する際には、以下の点を確認することが重要です。
- SLA(サービス品質保証)の確認:稼働率99.9%以上など、高い可用性を保証しているか。
- 障害情報・稼働状況の透明性:サービスの稼働状況をリアルタイムで確認できるステータスページを用意しているか。また、過去の障害履歴や対応内容を誠実に公開しているか。
- データセンターの地理的分散:大規模な自然災害に備え、地理的に離れた複数のデータセンターで運用されているか。
サービスの信頼性を客観的に判断する指標として、SOC2(Service Organization Control 2)やISO/IEC 27001といった第三者機関によるセキュリティ認証の取得状況も、重要な判断材料となります。
導入コストと対応サービスの制限
最後に、現実的な課題として導入コストと連携サービスの制限が挙げられます。SSOの導入には、製品ライセンス費用や、オンプレミスであればサーバーなどの初期投資、そして継続的な運用保守費用が発生します。
また、より重要な問題は、「全てのサービスがSSOに連携できるわけではない」という点です。特に、社内で独自に開発された古い業務システムや、一部のWebサービスなどは、SAMLやOpenID ConnectといったSSOの標準規格に対応しておらず、連携が困難な場合があります。「せっかく高額な費用を投じてSSOを導入したのに、最も利用頻度の高いあのシステムと連携できなかった」という事態は、絶対に避けなければなりません。
対策:事前の連携調査とスモールスタートの検討
この課題を乗り越えるための鍵は、「徹底した事前調査」と「スモールスタート」です。
導入を決定する前に、まずは現在利用しているシステムやクラウドサービスをすべて洗い出し、それぞれがどの認証方式に対応しているかを調査します。その上で、検討しているSSO製品がそれらの方式をカバーできるか、提供元のベンダーに連携実績などを確認しましょう。必要であれば、PoC(Proof of Concept:概念実証)を実施し、主要なシステムとの連携を実際に試してみることが、後の失敗を防ぎます。
そして、導入時にはいきなり全社展開するのではなく、まずは情報システム部門や特定の部署など、小規模な範囲で開始する「スモールスタート」が有効です。例えば、多くの企業で利用されているMicrosoft 365やGoogle Workspaceなど、連携が容易で効果を実感しやすいサービスから始めるのが良いでしょう。小さな成功体験を積み重ね、運用上の課題を洗い出してから段階的に対象範囲を広げていくことで、リスクを最小限に抑えながら着実に導入を進めることができます。
失敗しないシングルサインオン製品・サービスの選び方

シングルサインオン(SSO)製品は国内外の多くのベンダーから提供されており、その機能や特徴は多岐にわたります。自社の環境や目的に合わない製品を選んでしまうと、期待した効果が得られないばかりか、かえって運用負荷が増大する可能性も否めません。では、数ある製品の中から、自社に最適なものを選ぶには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは、SSO製品選定で失敗しないための4つの重要なポイントを解説します。
提供形態で選ぶ(クラウド型 vs オンプレミス型)
SSO製品の選定における最初のステップは、提供形態を決めることです。SSO製品は、大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類に分けられ、それぞれにメリット・デメリットが存在します。自社のシステム環境、予算、運用体制などを総合的に考慮し、最適な形態を選択することが重要です。
クラウド型(IDaaS)
クラウド型SSO(IDaaS)は、迅速な導入と運用負荷の軽減を重視する企業に適しています。ID管理や認証基盤をクラウドサービスとして利用するため、サーバー構築やソフトウェア保守が不要で、比較的短期間で利用を開始できます。
代表的なクラウド型IDaaSの一つが、OneLogin です。
OneLoginは、クラウドサービスとのシングルサインオンに加え、Active Directoryなど既存のオンプレミス認証基盤と連携できる点が特徴です。そのため、クラウドとオンプレミスが混在する環境でも段階的に導入しやすいIDaaSとして、多くの企業で採用されています。
オンプレミス型
オンプレミス型SSOは、既存の社内システムとの密接な連携や、独自のセキュリティポリシーへの対応を重視する企業に適しています。自社環境内で認証基盤を構築・運用するため、柔軟なカスタマイズが可能な一方、導入・運用には専門的な知識と一定の工数が求められます。
近年では、両方の環境を連携させるハイブリッド構成に対応した製品も増えています。それぞれの特徴を理解するために、以下の比較表を参考にしてください。
| 比較項目 | クラウド型(IDaaS) | オンプレミス型 |
|---|---|---|
| 導入コスト | 初期費用は安価な傾向(月額・年額課金) | 高額な傾向(ライセンス購入、サーバー構築費用) |
| 導入スピード | 迅速(数日~数週間) | 時間を要する(数ヶ月~) |
| カスタマイズ性 | 低い(提供される機能の範囲内) | 高い(自社要件に合わせて柔軟に構築可能) |
| 運用・保守 | ベンダーが実施するため、運用負荷は低い | 自社で実施するため、専門知識と工数が必要 |
| 主な連携対象 | クラウドサービス(Microsoft 365, Google Workspaceなど) | 社内システム、オンプレミスのWebアプリケーション |
| 代表的な製品例 | OneLogin,Microsoft Entra ID (旧Azure AD), Okta, トラスト・ログイン | Keycloak, OpenAM (ForgeRock), 各社パッケージ製品 |
連携対象のシステム・アプリケーションとの互換性を確認する
SSO導入の成否を分ける最も重要なポイントが、連携の互換性です。SSOを導入したいと考えている全てのシステムやアプリケーションと、検討中の製品がスムーズに連携できるか、事前の入念な調査が不可欠です。「導入したものの、肝心の基幹システムと連携できなかった」という事態を避けるため、以下の点を確認しましょう。
- 利用中のサービスへの対応:Microsoft 365やGoogle Workspace、Salesforceといった主要なクラウドサービスはもちろん、自社で利用している業界特化のSaaSや、社内開発のシステムに対応しているかを確認します。
- 認証方式の確認:SAMLやOpenID Connectといった標準的なプロトコルに対応しているかは必須のチェック項目です。また、古いWebシステムなど、標準プロトコルに対応していないアプリケーション向けに、代行認証(フォームベース認証)やリバースプロキシ方式といった連携方法を提供しているかも重要になります。
- 将来的な拡張性:現在利用しているシステムだけでなく、将来的に導入を計画しているシステムとの連携実績やロードマップも確認しておくと、長期的な視点で安心して利用できます。
多くの製品では、連携可能なアプリケーションのリストを公開しています。また、無料トライアルを提供しているサービスも多いため、実際に主要なアプリケーションとの連携を試し、使用感を確認することをおすすめします。例えば、ある企業ではトライアル期間中に人事システムとの連携を検証し、従業員情報の自動同期が可能であることを確認した上で、本格導入を決定しました。
セキュリティ要件を満たす機能があるか
SSOは、企業の認証基盤の要となるシステムです。そのため、利便性だけでなく、堅牢なセキュリティ機能を備えているかどうかが極めて重要になります。万が一、SSOの認証情報が破られてしまうと、連携する全てのサービスへ不正アクセスされる危険性があるためです。自社のセキュリティポリシーと照らし合わせ、必要な機能が搭載されているかを厳しく評価しましょう。
多要素認証(MFA)やアクセス制御機能の有無
パスワードのみに頼る認証は、もはや安全とは言えません。不正アクセス対策として、多要素認証(MFA)への対応は必須要件です。具体的には、以下のような認証方法を組み合わせられるかを確認します。
- 知識情報:パスワード、PINコード
- 所持情報:スマートフォンアプリへのプッシュ通知、SMSで送られるワンタイムパスワード、ハードウェアトークン
- 生体情報:指紋認証、顔認証
さらに、ゼロトラストの考え方に基づき、認証後のアクセスをきめ細かく制御する機能も重要です。特定のIPアドレスからのみアクセスを許可する「IPアドレス制限」や、会社が許可した端末のみ利用を許可する「デバイス認証(クライアント証明書)」、時間や場所などに応じてアクセス可否を判断する「条件付きアクセスポリシー」などの機能があれば、よりセキュアな環境を構築できます。
監査ログの取得と管理
万が一のインシデントに備え、詳細な利用状況を記録・追跡できる監査ログ機能も不可欠です。「いつ、誰が、どの端末から、どのサービスにアクセスしたか」といったログを正確に記録し、管理できるかを確認してください。
チェックすべきポイントは以下の通りです。
- ログの網羅性:ログインの成功・失敗だけでなく、管理者による設定変更やユーザー情報の変更など、重要な操作が記録されるか。
- ログの保管期間:自社のコンプライアンス要件を満たす期間、ログを保管できるか。
- 検索・分析機能:不審なアクティビティがあった際に、迅速にログを検索・抽出し、レポートとして出力できるか。
- 外部連携:SIEM(Security Information and Event Management)製品と連携し、高度なログ分析が可能か。
導入後のサポート体制は十分か
SSOシステムは、一度導入すれば終わりではありません。日々の運用の中で不明点や問題が発生することは避けられません。特に、SSOシステムに障害が発生した場合、全社の業務が停止してしまう甚大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、迅速かつ的確なサポートを受けられる体制が整っているかは、製品選定における最後の重要な砦となります。
以下の項目を事前に確認し、安心して運用を任せられるベンダーを選びましょう。
- サポート窓口の品質:サポートは日本語で受けられるか。対応時間(24時間365日対応か、平日日中のみか)は自社のビジネス要件に合っているか。問い合わせ手段(電話、メール、チャット)は何か。
- ドキュメントの充実度:導入マニュアルやFAQ、トラブルシューティングガイドなどが日本語で整備されているか。
- 導入支援サービスの有無:初期設定や既存システムとの連携について、専門スタッフによる支援を受けられるか。
- SLA(サービス品質保証制度):システムの稼働率が保証されているか。障害発生時の対応目標時間が定められているか。
特に海外製のSSO製品を検討する際は、日本国内にサポート拠点や信頼できるパートナー企業が存在するかを確認することが、安定した運用を実現するための鍵となります。
よくある質問(FAQ)
シングルサインオン(SSO)とIDaaS(Identity as a Service)の違いは何ですか?
シングルサインオンは「1度の認証で複数のサービスにログインできる仕組み」そのものを指す機能の名称です。一方、IDaaSはシングルサインオン機能を含む、ID管理や認証機能をクラウドサービスとして提供する形態を指します。多くのIDaaS製品がSSO機能を提供しています。
Microsoft 365やGoogle Workspaceのログインもシングルサインオンですか?
はい、それらもシングルサインオンの一例です。例えば、一度Googleアカウントにログインすれば、GmailやGoogleドライブ、Googleカレンダーなどに再度ログインすることなくアクセスできます。これを他の外部クラウドサービスにも連携させることで、より広範囲なSSO環境を構築できます。
シングルサインオンを導入すれば、パスワードは完全になくなるのでしょうか?
いいえ、完全になくなるわけではありません。シングルサインオンの認証を行うための「マスターパスワード」は依然として必要です。ただし、覚えるべきパスワードが一つになるため、利用者の負担は大幅に軽減されます。さらに、多要素認証(MFA)を組み合わせることで、パスワードだけに頼らない強固なセキュリティを実現できます。
SAML認証方式がよく使われるのはなぜですか?
SAMLはクラウドサービス間の連携を想定して作られた標準規格であり、セキュリティが高いことが理由です。多くのクラウドサービス(SaaS)がSAMLに対応しているため、異なるベンダーのサービス間でも安全にSSOを実現しやすいというメリットがあります。
導入にかかる期間はどれくらいですか?
導入期間は、対象となるシステムの数や種類、選択する製品、社内の体制などによって大きく異なります。クラウド型のSSOサービスを数個のアプリケーションと連携させるだけであれば数週間で完了することもありますが、大規模なシステム連携やオンプレミス型製品の導入では数ヶ月以上かかる場合もあります。
シングルサインオンの導入に失敗する主な原因は何ですか?
主な失敗原因として、「導入目的が曖昧なまま進めてしまう」「連携対象のアプリケーションの仕様を十分に調査していない」「利用部門への説明やトレーニングが不足している」などが挙げられます。導入前に目的を明確化し、十分な事前調査と関係者との連携を行うことが成功の鍵となります。
まとめ
今回は、シングルサインオン(SSO)の仕組みからメリット・デメリット、そして導入時の選び方までを解説しました。
一見難しく感じるシングルサインオンですが、その本質は「認証を一つに集約し、安全性と利便性を両立させる」という非常にシンプルな考え方に基づいています。クラウドサービスの利用が当たり前となった現代において、増え続けるIDとパスワードの管理は、利用者・管理者双方にとって大きな課題です。では、この課題をどのように解決できるのでしょうか?
その答えが、シングルサインオンの導入です。SSOは、日々のログイン作業を効率化するだけでなく、統一された認証ポリシーを適用することで、企業全体のセキュリティレベルを底上げします。単なる「効率化ツール」ではなく、企業の情報を守るための「戦略的なセキュリティ投資」であると言えるでしょう。
もちろん、不正アクセス時の被害拡大リスクやシステム障害といったデメリットも存在します。しかし、これらは多要素認証(MFA)の併用や信頼性の高いサービスの選定といった適切な対策を講じることで、十分にリスクを低減できます。
この記事を参考に、自社の課題解決に繋がるシングルサインオンの導入を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
【本記事の監修体制について】
執筆:リードプラス株式会社
監修:リアルテックジャパン株式会社SAPソリューション事業
この記事は、SAP導入プロジェクトの豊富な経験を持つ当社の専門部門が内容を精査し、 以下の最終承認プロセスを経て公開しています。
最終監修責任者:リアルテックジャパン株式会社 代表取締役社長 松浦 一哉
企業の代表として、お客様の課題解決に繋がる有益で正確な情報発信に責任を持って取り組んでまいります。
- カテゴリ: ID管理
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