業務可視化検討のきっかけ
業務部門のマネージャクラスの方とお話しすると、社内の会議、上司とのコミュニケーションについての悩みを相談されることが多々あります。「上司がわかってくれない」。「社内でコンセンサスを図るのに時間、手間がかかる」。非常によくわかります(笑)。私も前職で顧客対応の管理指標について検討したときに同じ思いをしました。顧客対応のどこにどのくらい問題があるのか、問題への対応をして何がどのくらい改善したのかを上司にデジタルに説明することに苦慮した思い出があります。
売上額、利益額、債権残高など制度会計上の財務的な業績を示す数値は多様性が少ないです。しかし、内部的な管理指標は企業により粒度、範囲など多岐にわたります。管理指標を明確に定義して業務を可視化する方法について、多くの方が悩まれていると思います。今回は、業務可視化に対するアプローチを説明していきます。
可視化へのアプローチ
「測定できないものは管理できない」
経営学の中でよく言われる言葉です。実際には、「顧客満足度」などビジネスにおいて測定しにくいものは多々あります。しかし、一方で測定できる部分が多いのも事実です。測定可能な業務プロセスを可視化、管理することにより継続的な業務改善へとつなげていくアプローチが現在の主流かと思います。
では、具体的にどの業務範囲をどのように可視化するか、という点でいろいろと悩まれると思います。「これが最適だ」と考えても、システム的に大きな対応コストがかかる、あるいはEXCELでデータ編集するのに時間がかかる、といったことも数多く経験されていると思います。
理想的には、少ない費用で、効果が大きくなるようにしたいはずです。では、Solution Manager を使うとどのように可視化されるかを簡単に紹介していきます。
可視化の設定
基本的な設定はSolution Managerで可視化対象の「キー数値」を選択するだけです(細かくはシステム接続などありますが今回は割愛します)。
この仕組の長所は以下の点にあります。
長所 | 得られるメリット |
750件以上のグローバルスタンダードの「キー数値」(業務指標)が利用可能 | 開発コストをかけずにグローバルスタンダードの指標を使えます |
わかりやすい画面なので業務ユーザでも設定可能 | 業務部門で継続的な管理、改善を柔軟に素早く行えるため、設定変更時に情報システム部門と業務部門のコミュニケーションコストをなくすことができます |
可視化された形
Solution Managerでは、以下の方法で可視化されます。
可視化方法 | 内容 |
ダッシュボード表示 | ダッシュボード形式で目的とする情報をグラフ、表形式で表示 ダッシュボードから分析グラフへ遷移することが可能 ※スクリーンショットなどはこちらを参照ください |
分析アプリケーション表示 | 分析軸、分析対象数値を切り替えてグラフ、一覧表示 一覧画面から個別情報(販売伝票など)へ画面遷移可能なので、グラフからのドリルダウンから個別の伝票処理がシームレスに行えます ※スクリーンショットなどはこちらを参照ください |
フローチャート上にアラート表示 | フローチャート上にアラートを表示 問題が起こった場合に影響を与える後続処理が判別しやすい |
アラート一覧表示 | 業務範囲、システムなどで絞り込んでアラート一覧を表示 |
メール送信 | 業務指標が指定した異常値に達した場合に担当者にメール送信 |
インシデント自動起票 | 業務指標が指定した異常値に達した場合に担当者にインシデントを自動起票 |
フローチャート上にはアラートが下図のように表示されます。
例えば
例えば、「納期超過した発注伝票明細」を可視化した場合、以下のように対応していきます。
ステップ | サポート機能 | メリット | 例 |
---|---|---|---|
問題認識 | メール送信 インシデント管理 |
プッシュ型情報配信により早期な問題認識 | 納期超過した発注伝票明細が一定件数を超え、警告メールが自動的に担当者に送付されます また、インシデントが自動起票されます |
問題分析 | 警告一覧 フローチャート上のアラート |
アラートから一覧、個別伝票までのシームレスなシステム連携による担当者サポート | メールを受け取った担当者は、Solution Managerのアラート一覧で対象の明細一覧および個々の伝票を見て、影響範囲を特定します |
暫定対応 | ERPなど個々のシステム | 対応済みデータはシームレスに監視側に反映 | 一部の購買品は、顧客へ納品する予定が間に合わなくなりそうなので、自社の倉庫から送るように手配をします |
原因特定 | 分析アプリケーション | 様々な分析軸での柔軟な分析 | 分析軸を変えて分析した結果、今回の件に共通して言えるのは仕入先A社からの購買だと判明。さらに、傾向を調べた結果、月末には納期遅延多いことが判明 |
恒久対応 | インシデント管理 | インシデントとして社内ナレッジ化による再発防止 | 統計データをもとにA社と交渉し、再発防止策を協議 これまでの対応をインシデント管理に記録して社内ナレッジ化 |
以上のような形でSolution Managerでは業務可視化を通じて業務改善を行います。
最後に
今回は、Solution Managerを使った業務可視化について説明をしました。開発なしで750件以上の業務指標を可視化できるため、クイックスタートに適しています。業務可視化について検討されている方は、ソリューションの選択肢としてご一考ください。
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