S/4HANAアドオン移行のコツ(概要編)

 2016.04.27  リアルテックジャパン

SAP社が力を入れているアドオン管理への取り組み

日本国内に限らず世界中でSAP ERPアップグレードの重荷となっているのがアドオンプログラムです。アドオンプログラムの改修コストが原因でアップグレードを遠慮しているユーザも数多くいます。

円滑なシステム最新化の阻害要因となっているアドオンの管理・移行ツールにSAP社は近年力を入れています。今回は「S/4HANAアドオン移行のコツ」と題してアドオン移行について説明します(S/4HANA化だけでなくSuite on HANA化・EHP適用において参考になる内容も多いです)。また、移行を見据えた運用最適化についても解説しているため、運用担当者の方にも役に立つかと思います。

なお本記事は、下記シリーズ記事の一部で、他記事も参照されることをお勧めします。

S/4HANAアドオン移行のコツ(概要編)【本記事】
S/4HANAアドオン移行のコツ(CCLMで定常運用)
S/4HANAアドオン移行のコツ(計画・準備編)
S/4HANAアドオン移行のコツ(S/4HANA Extensibilityとアドオン改修)
S/4HANAアドオン移行のコツ(経験談とQ&A)

そもそもアドオンをどうすればいい?

「システム形態に応じてアドオンをどうすればいいか?」という疑問を抱えている方も多いです。簡単にシステム形態とアドオン対応について下図のようにまとめてみました。

ERP and AddOn.jpg

目的に応じて「正常に動かすための対応」と「継続的改善のための対応」に分かれます。前者は対応をしないとエラー(ダンプ等)が起きるため、必須です。後者は、システムの導入効果を高めるための対応です。

アドオン移行のステップ

アドオン移行を円滑に行うための多種多様なツールがあります。目的に応じてツールが分かれているため、理解に時間がかかります。下図に3つのステップとそれぞれの目的に応じたツールをマッピングしてみました。CDMC(Custom Development Management Cockpit)以外は比較的新しく、耳慣れないツールが多いかもしれません。

AddOn Migration Steps and Tools.jpg

上記の移行ステップについて簡単に説明します。詳しくは、次回以降の記事で説明します。

1. 定常運用におけるアドオン最適化

S/4HANA化に限らず円滑なシステム移行のためには、定常運用時に使っている機能を整理しておくことが重要です。特に、アドオンプログラムの使用有無・頻度の情報をもとに不要なものはアーカイブすることで、システム移行時の検討範囲や対応コストを減らすことができます。
CCLM_Migration_Approach.jpg

2. S/4HANA化準備

S/4HANA化に際して、どのアドオンを改修する必要があるかをリストアップし、改修計画を立てます。まずは概算見積からシミュレーションをして、実際にS/4HANA化をするフェーズで具体的な準備をします。経験と勘に頼った見積・計画ではなく、現行システムと移行先システム情報の差異から合理的にコストを算出するためのツールの活用が効率化のポイントです(S/4HANA化だけでなく、EHP適用やSuite on HANA化でも使えます)。

3.1. 標準機能で代替処理

移行元システムでは、標準機能の欠落、処理の遅さ等の原因で実装していたアドオン機能を標準機能で代替できることも多いです。CCLMから呼び出すClone Finderなどを使い、不要なアドオン機能をアーカイブして、本稼働後の運用コストを削減していきます。

3.2. アドオン改修

S/4HANA化することで、動作不良を起こすアドオンが出てしまいます。そのアドオンを改修する必要があります。また、S/4HANA化することで、新しい技術(AMDP、Fiori等)が使えます。それらを採用して、処理速度向上やモバイル対応といった目的でアドオン改修をすることで、システム導入効果を高めることもできます。

経験と勘からの脱却

今まで、経験と勘にもとづいてシステム移行コスト算出をしてきたことが多いのではないでしょうか。しかし、機械的に合理的算出根拠を出せる分野は確実に増えてきています。機械的な算出のみで完結するわけではないですが、システム移行をする際に活用することで見積もりの精緻化や効率化が実現できます。機械的算出のツールなどについて、次回以降の記事で詳しく説明します。
SAPユーザのための 『S/4HANA』データ移行

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