S/4HANAアドオン移行のコツ(CCLMで定常運用)

 2016.04.28  リアルテックジャパン

技術進歩とアドオン管理

先日、ロボット掃除機のルンバを購入しました。外出中に掃除が終わっているので、自由な時間が増えました!まさに技術進歩の恩恵です。

では、SAP ERPのアドオン管理方法は導入当時と比べて技術進歩の恩恵を得ているでしょうか?運用コスト削減や移行コスト削減を目的としてアドオン管理の領域で様々な技術進歩が起きています。今回はS/4HANAへの円滑アドオン移行の準備として、定常運用でやっておくことを説明します(移行ではなく純粋な運用としても参考になるかと思います)。

なお本記事は、下記シリーズ記事の一部で、他記事も参照されることをお勧めします。

「theGuard! SmartChange Transport Management」 導入
SAPシステムパフォーマンス分析パック

S/4HANAアドオン移行のコツ(概要編)
S/4HANAアドオン移行のコツ(CCLMで定常運用)【本記事】
S/4HANAアドオン移行のコツ(計画・準備編)
S/4HANAアドオン移行のコツ(S/4HANA Extensibilityとアドオン改修)
S/4HANAアドオン移行のコツ(経験談とQ&A)

定常運用によるアドオン最適化

本記事の説明範囲は「定常運用によるアドオン最適化」の下図赤枠部分です。

ERP and AddOn Operation.jpg

定常運用として、アドオンに限らずシステムをどのように使っているかを整理しておくことは重要です。目的を「円滑なアドオン移行」とした場合、特にアドオン使用頻度の情報を中長期的に取得・整理しておくことが重要です。これは、移行直前の段階になったときに短期間で取得・整理することが難しいためです。仮に短期間のアドオン使用頻度情報のみで不要と判断した場合、年1回(組織改編時等)のみ使うにアドオンを誤って移行対象から除外してしまうこともありえます。

CCLMで定常運用

定常運用時のアドオン管理として最も有効なツールがCCLM(Custom Code Lifecycle Manager)です。CCLMについては移行だけでなく、運用コスト削減の観点も含めて、以下3記事で詳しく書いています。

【SolMan活用-CCLM概要編】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減

【SolMan活用-CCLM実践編】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減

【SolMan活用-CCLM次のステップ】意外な場所に潜むシステム運用/移行コストの可視化と削減

CCLMはアドオンを包括的に管理できるため、定常運用だけでなく以下ステップでも活用できます。

2. S/4HANA化準備

HANAに依存しない機能であれば、S/4HANA導入前の段階でも移行元システムでABAPプログラム修正が可能です。ATC(ABAP Test Cockpit)、Code Inspectorと連携してABAPプログラムの品質管理に使えます(下図が参考画面)。

CCLM_Quality.jpg

3.1. 標準機能で代替処理

CCLM内のClone Finderを使ってアドオンプログラムと類似した標準機能を探し出せます。類似性をもとに廃止推奨(アーカイブ推奨)プログラムを抽出してくれます。アドオン処理を標準機能で代替することによりアドオン削減を進めることができます。下図が参考画面です。

CCLM_decommission_project.jpg

代替標準機能を探すために、CCLMだけでなくInnovation DiscoveryHelp Portalも使います。

3.2. アドオン改修

ATC(ABAP Test Cockpit)、Code Inspectorと連携したABAPプログラム品質管理ができます。また、Clone Finderを使ってアドオンプログラム同士で類似機能を探し出し、複数プログラム統合を進めることができます。

CDMC-CAで定常運用

CCLMだけでなくCDMC-CA(Custom Code Management Cockpit Clearing Analysis)というアドオン管理ツールもあります。こちらは、目的を不要アドオン削減に限定しているため、CCLMと比べて設定が簡単です。 システム移行までの期間が短いなどの理由で、取り急ぎ不要アドオンを減らしたい場合などに有用なツールです。CCLMと同様に使用有無などの情報から削除候補をリストアップしてくれます。下図が分析画面です。

CDMC Clearing Analysis.jpg

避けては通れない課題

システム稼働にしたがい、機能使用有無など把握できない内容がどうしても増えてしまいます。障害対応のために一時的に作ったプログラム、昔の業務プロセスでは必要としていたプログラムなどすべてを正確に把握するのは難しいです。しかし、システム移行を検討するにあたり、それら移行対象を明確にすることは、避けては通れない課題のひとつです。

使用統計やプログラム品質などを機械的に取得して可視化することは、移行対象を明確にする上で大いに役に立つはずです。CCLMやCDMC-CAを使うかはともかく、日々の忙しい運用業務の合間に、もう一度アドオンを整理してみると新しい発見があるかもしれません。

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こぼれ話:CCLMにおけるUPLとSQL Monitorの重さ

こぼれ話として、技術に興味がある方向けに少しマニアックな内容です。
UPLとSQL Monitorで取得する情報量は非常に多いです。それらはSolution ManagerのInfo Cubeに格納され、日次、週次、月次、年次レベルに集約されます。それぞれのキューブにはウィザードで設定されるEFWKによってハウスキープジョブとしてデータが格納されていきます。キューブ上にデータがあるため、Tableu等いろいろな手段でデータを可視化できます。
一方、City Model ViewではUPLやSQL Monitorと別のキューブを使って重要度情報を表示しています。UPLの情報をそのまま使うとデータ量が多く処理時間が長くなるためです。このあたりの詳細設計情報が公開されているわけではないので、整理に時間がかわりました。今後、もうすこしわかりやすい形に変わっていくかもしれません。
SAPユーザのための 『S/4HANA』データ移行

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