S/4HANAアドオン移行(S/4HANA Extensibilityとアドオン改修)

 2016.05.06  リアルテックジャパン

新しいアドオンの形

HTML5.1が2016年中に勧告される予定です。サイト作成者など様々な方が対応要否を検討していると思います。HTML5.0が2014年に勧告されたことを考えると、まさに技術進歩の早さを感じしまいます。
当然、SAPの世界でもHTML5は使われているので、SAPUI5を中心としたアップデートがあります。ABAPに閉じたクローズな世界では、頻繁なアップデートのイメージがわきにくいかもしれませんが、セキュリティ・ブラウザ制約などの理由でアップデートが必要なサイクルは短くなっています。そのような状況でSAPシステムを早く安定的にアップデートするために、S/4HANAでは新しいアドオンの形が使えます。今回は、その「S/4HANA Extesibility」を中心にS/4HANAのアドオンを説明します。

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なお本記事は、下記シリーズ記事の一部で、他記事も参照されることをお勧めします。

S/4HANAのアドオンの考え方

S/4HANAでは、より早く安定的なアップグレードをするため、S/4 HANA Extensibilityというコンセプトでアドオン管理が再設計されています。簡単なサマリを下記に記述しますが、詳細はTECHEDの動画を参照ください。新しいアドオン方法は適用が任意であって、必ず対応しなければならないものではありません。しかし、S/4HANA化計画時に検討まではすべき内容かと思います。

2つの実装箇所

実装先の違いで、In-App ExtensibilityとSide-by-side Extensibilityの2種類に別れます。
In-App Extensibilityは従来と同じで、Side-by-side ExtensibilityはHCP(HANA Cloud Platform)を使ったアドオン方法ですpp Extensibilityは従来と同じで、Side-by-side ExtensibilityはHCP(HANA Cloud Platform)を使ったアドオン方法です。
Side-by-side Extensibilityのメリットは大きく2つです。メリットの1つは、画面系のアップデートサイクルの早いの世界で常に最新バージョンのソフトが使えることです。もう1つのメリットは、Success Factorなどのソリューションと統合したサービス(ポータル画面など)を作りやすいことです。

3つの実装方法

実装方法の違いで、Classic Extensibility、Key user ExtensibilityとManaged Extensibilityに別れます。
Classic Extensiblityは従来と同じABAP Workbench(t-cd:SE80)等から実装するアドオンです。
Key user Extensibilityはプログラミングスキルがないユーザでも実装できるようにDrag & Dropなどの簡単な操作できるアドオン方法です。画面レイアウト変更、テーブル(DB)項目追加、処理(ロジック)の追加等ができます。画面レイアウト変更は、以前ご紹介した"Runtime Adaption"という技術を使っています。
Managed ExtensiblityはS/4HANA Cloud用のオプションでホワイトリスト化されたAPIのみを使ったABAPのアドオンです。

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従来のアドオン(Classic Extensiblity)改修

従来のアドオン(Classic Extensiblity)改修で使うツールは下図赤枠部分です(Key user ExtensibilityとManaged Extensibilityとは関係ないです)。

ERP and AddOn Modify.jpg

CCLMでは、ATC(ABAP Test Cockpit)、Code Inspectorと連携してABAPプログラムの品質管理に使えます。詳しくは「S/4HANAアドオン移行のコツ(CCLMで定常運用)」を参照ください。

「影響一覧抽出・ステータス管理」部分は「S/4HANAアドオン移行のコツ(計画・準備編)」を参照ください。それぞれのツールで抽出したアドオンプログラムを個々に改修します。

[SMART_CONTENT]

S/4HANA最適化

「従来のアドオン(Classic Extensiblity)改修」では、まずは不具合なく動かすことに焦点を当てています。より大きな効果を得るためには、紹介した以外の改修方法もあります。

例えば、パフォーマンス最適化対応としてリンク先の弊社事例があります。リンク先事例に載せていませんが、弊社知見にもとづいたパフォーマンス改善余地のあるアドオンプログラム一覧を抽出・提案しました。

パフォーマンス以外の観点では、Fioriを使ったマルチブラウザ・マルチデバイス対応をすることでシステム導入効果を高めるようなこともできます。

もっと見る:SAP S/4HANAで何が実現できるのか?

完全自動化の世界

ブラウザのGoogle Chromeは、かなり理想的なアップデートをしていると感じています。ユーザがほとんど意識をせずにいつの間にかアップデートが完了しています。
ERP On Premiseもいずれはその状態になればとも思いますが、まだ道のりは長いでしょう。ただ、少しずつではありますが、アップグレードの負担が減ってきているように思います。
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