HANA Liveの役目:難解なSAPの世界をわかりやすく

 2016.02.04  リアルテックジャパン

難解な世界を紐解く

ニュートリノ振動発見により日本人の梶田隆章さんが、昨年(2015年)にノーベル物理学賞を受賞したのは記憶に新しいと思います。受賞発表当時、テレビでニュートリノ振動の解説を見て「なるほど、わからん」と思わず言ってしまいました。内容が難解で、わかるような、わからないような歯切れの悪い思いをしたことを覚えています。
難解だと思うことは、私達の身近でもよくある話かと思います。「XXさんと話していると何を言いたいか意味がよくわからない」などと実感することも多いのではないのでしょうか。システムのエンドユーザの方は、技術者の話でそう思っていることも多いかもしれません。
今日はよく「難解」と言われるSAPの世界をわかりやすくしてくれるHANA Liveを説明します。
事前に過去記事「SAP HANA Live入門」を読むと理解しやすいかと思います。

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HANA Liveの役目

SAPアプリケーションの伝票やマスタは非常に多くのテーブルから構成されています。多くのテーブルから業務に必要な情報を探して活用するには、どうしてもテーブル構造に詳しい技術者を媒介者として必要としました。その媒介者(技術者)をHANA Liveが肩代わりします。その変化は下図のようなイメージです。

HANA Live Role.jpg

ERPだけでなく、CRMやPLMなど様々なモジュールに対応したHANA Liveがあります。どんなHANA Liveがあるか詳しくはHelp Portalを参照ください。

HANA Live + HANA Live RDSを使った活用イメージ

HANA Liveを活用するために HANA Live RDSがあります(RDSはRapid Deployment Solutionの略)。HANA Live RDSをインポートすることで、HANA Liveを使ったBOのレポートがデプロイされます。下図はHANA Live RDSでインポートしたBO Crystal Report画面です。

HANA Live RDS Sample.jpg

Crystal Report以外にもWeb Intelligence、Design Studio、Lumira Desktopを使ったレポートが数多く提供されています。HANA LiveとHANA Live RDSを使うことでレポート要件のプロトタイピング期間を短縮したり、設計・実装期間を短縮できます。要件にあわなければコピーして修正できます。

HANA Liveの見方

HANA Live Browserを使ってHANA Liveの実態であるHANA Viewを検索します。HANA Viewを定義、Viewデータの参照、抽出元View/Tableの参照が可能です。通常のブラウザから使用でき、操作感も簡単でエンドユーザでも十分使えます。

HANA Live Browser.jpg

拡張要件への対応

HANA Liveをそのまま使うと要件に対して過不足が出ることもあります。要件ギャップの項目不足に対応するためにHANA Live Extension Assistantという拡張ツールが用意されています。このツールを使うことで、標準のHANA Liveに手軽に項目追加が可能です。下図は拡張しているウィザード画面です。

HANA Live Extension Assistant.jpg

閲覧権限制御

HANAにある情報をLumiraやBOから参照する場合は、HANA上で閲覧権限の制御をする必要が出てきます。例えば、「東京営業所所長は他の営業所の販売成績を見られない」などです。ABAP側に既にその権限制御を実装している場合、ABAP上のロール/ユーザ情報からHANAでの権限制御オブジェクト(Analytical Privilege)を生成することができます。下図は生成するためのツールであるHANA Live Authorization Assistantの画面です。

HANA Live Authorization Assistant.jpg

HANA Liveは遅くて使えない?

HANA LiveはCalculation ViewとしてHANAに実装されています。HANA Viewは本来、Calculation Viewを含めた3種類のViewを使い分けることによりパフォーマンスが最適化される仕組でした。そのため、HANA Liveはパフォーマンス観点から最適なソリューションではないと筆者は感じていました。
しかし、HANA SPS11から HANA ViewはCalculation Viewに集約する方針が提示されました。この方針により、今後のSPSリリースでパフォーマンスは最適化されていく予定です。HANA Liveはこの方針を事前に鑑みて、すべてCalculation Viewのみで実装されていたのかもしれません。

※HANA VIewについては過去記事「S/4HANAの勘所:HANA Viewを使った分析高速化」を参照ください。

効率化と技術者の負担軽減

HANA Liveはエンドユーザが使えることを意識したツールです。技術者を介さないことにより業務部門は素早く欲しい情報を参照でき、情報システム部門は高スキルを必要とする仕事に集中できるようになります。HANA Liveが技術者の代替となることで、難解なSAPの世界とエンドユーザの媒介者としての技術者の荷が軽くなるかもしれません。
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