従量課金モデルとは?
概要からクラウドサービスでのメリットを解説

 2025.06.17  リアルテックジャパン

従量課金モデルはサービスの利用分のみを支払う課金方式で、クラウドサービスでも採用されています。業務効率向上のためのサービスを必要な分のみ利用することが可能です。本記事では、従量課金モデルの概要からメリット、サービスの事例を解説します。

従量課金モデルとは?概要からクラウドサービスでのメリットを解説

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従量課金モデルとは

従量課金モデルとは

従量課金モデルは、サービスの利用量や回数に応じて料金が変動する課金方式です。

ユーザーが必要とするリソース(計算能力、ストレージ容量、データ転送量など)を利用した分だけ支払います。

定額請求モデルの場合は利用量が少ない場合であっても一定のコストを負担しなければなりません。一方で従量課金モデルの場合は、使った分だけ正確に料金が請求されるため、不要なコストが発生しないメリットがあります。

従量課金モデルは、事業の成長度合いやビジネス環境の変化にあった課金方式であり、多くの企業にとって魅力的な選択肢です。

従量課金制とサブスクリプションとの違い

従量課金制とサブスクリプションとの違い

従量課金制と並び、近年よく利用されている課金方式にサブスクリプションがあります。

サブスクリプションは、月額や年額といった一定期間に対して固定の料金を支払い、その期間内はサービスを自由に利用できる方式です。

従量課金は利用量によって料金が変動しますが、サブスクリプションは料金が変わらないため、コストの見通しが立てやすいという特徴があります。

いずれを採用するか、自社の事業やサービスの形態を考慮した上で選定することが重要です。

クラウドサービスにおける従量課金制のメリットとデメリット

クラウドサービスにおける従量課金制のメリットとデメリット

従量課金制を選定・評価する際には、メリットとデメリットを把握し自社にとって適切かどうかを判断する必要があります。

クラウドサービスにおける従量課金制のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

主なメリットは以下の通りです。

  • 利用した分のみの課金のため、無駄なコストを抑えられる
  • 初期投資が抑えられるため、スモールスタートに向く
  • ビジネスの変化に伴い利用料が増減するため、ビジネス変化に対応しやすい
  • 利用量に対して課金が発生するため、公平で納得感がある
  • 一時的に利用量が増大してもクラウドサービス事業者が調整するため、必要なリソースを確保しやすい

例えば、キャンペーン期間中にアクセスが増加するといった場合でも、必要なときだけサービスレベルを上げて利用し、通常期はレベルを下げることでコストを効率的に管理できます。

クラウドサービスにおける従量課金制は利用量が変動しやすいサービスや、コストをかけずに試験的に導入したい場合に有効な選択肢といえるでしょう。

デメリット

主なデメリットは以下の通りです。

  • 想定外の利用量増加によって料金が高額となるリスクがある
  • 利用量により料金が変わるため、予算の見通しが立てにくい
  • 常にコストを意識するため、利用を控えるケースがある

また、システムの設定ミスによって不要なリソースの大量消費や、ビジネス環境の変化により利用量が急増する場合もあります。

サービスの利用状況を継続的にモニタリングし、利用量の急増を検知するアラートを設定するなどの対策が欠かせません。

必要に応じて、専門家やサービス提供者のサポートを活用し、最適な設定や運用についてアドバイスを受けることが有効な対策です。

クラウドサービスにおける従量課金制の種類

クラウドサービスにおける従量課金制の種類

クラウドサービスで採用されている従量課金制には、課金対象に種類があります。
課金の種類は以下の通りです。

使用量課金

使用量課金は、サービスが提供するリソースの利用量に応じて課金される方式です。

クラウドストレージに保存したデータの総容量、仮想サーバの稼働時間、ネットワークのデータ通信量などが課金の対象となります。使った分だけ料金が発生するため、利用量が少ない期間やサービスであれば、コストを抑えることが可能です。

コスト効率を高めるためには、利用状況の正確な把握と不要なリソースの削除や停止といった管理が重要です。

ユーザー数課金

ユーザー数課金には、サービスに登録されたユーザー数で課金される基本方式と、実際にサービスを利用したアクティブユーザー数で課金される方式があります。

基本方式はサービスに登録されているユーザー数で課金されるため、サービスを利用しないユーザーがいる場合、無駄なコストが発生します。

アクティブユーザー課金方式は実際にサービスを一定期間内に利用した「アクティブユーザー数」で課金されるため、無駄なコストが発生しにくい点が特徴です。

ユーザー数課金は試験的に少人数で導入し、利用ユーザーが増えるにつれて段階的にコストを増やしていくといったスモールスタートに向いた方式といえるでしょう。

段階制プラン

段階制プランは、利用量が増えるにつれて料金単価が変動する課金方式です。

あらかじめ複数の利用量の「段階」が設定されており、それぞれの段階に対して異なる単価が適用されます。例えば、電気やガス料金の料金体系が該当し、使用量が段階(最初の100kWh、次の200kWhなど)を超えるごとに、それ以降の使用量に対する単価が低減します。一定量までは比較的安価に利用でき、大量に利用した場合でも単価が下がることで、コスト上昇の抑制が可能です。

料金体系が複数の段階に分かれているため、契約内容や現在の利用量がどの段階に該当するかを把握しておくことが重要になります。

ハイブリッド型課金

ハイブリッド型課金は、従量課金と定額課金を組み合わせた複合的な課金方式です。

まず基本料金として一定額を支払い、その基本料金に含まれる範囲内でサービスを定額で利用できます。そして、基本料金に含まれる利用量を超過した場合、超過分に対して従量課金が発生するという仕組みです。多くのクラウドサービスで、最小限の機能や利用量を定額で提供し、それ以上の高負荷利用や追加機能の利用に対して従量課金を適用する形で採用されています。

基本料金により一定の機能を確保しつつ、必要に応じた追加機能の利用によりコスト効率と柔軟性を兼ね備えた方式です。

クラウドサービスにおける従量課金モデルの事例

クラウドサービスにおける従量課金モデルの事例

実際のクラウドサービスでは、さまざまな形で従量課金モデルが採用されています。
本章では、代表的な例をご紹介します。

RunMyJobs

RunMyJobsはクラウド型のジョブスケジューリング&ワークロード自動化ソリューションで、「月額使用料+使用量課金」を採用しています。優れたユーザーインターフェースにより、従来のジョブスケジューラーでは実現できなかった複雑なタスクを手軽に自動化し、生産性向上が可能です。

月額使用料はかかりますが、ジョブ数に応じた分だけ課金される従量課金モデルであり、必要なサービスに対してのみコストがかかります。

業務の効率化とコスト削減を同時に実現したい企業にとって、有効な選択肢の1つといえるでしょう。

HubSpot

HubSpotはマーケティング、セールス、カスタマーサービスに特化したSaaSプラットフォームで、段階性プラン課金方式を採用しています。

HubSpotが提供するツールには機能制限がかかっており、有料プランに変更することで顧客数やメールの開封通知数の上限を引き上げられます。まずは無料プランから始め、ビジネスの成長とともにサービスを追加していくことが可能です。

スタートアップや中小企業がスモールスタートで導入しやすいサービスといえるでしょう。

AWS(Amazon Web Services)

AWSは世界中で利用されているクラウドコンピューティングサービスです。

基本的には仮想サーバの稼働時間、データ使用量、ネットワーク通信量などの使用料課金を採用していますが、一部サービスではユーザー数課金を取り入れるなどさまざまな課金体系があります。

AWSはサービスの組み合わせ方や利用状況によってコスト計算が複雑になるため、公式の料金見積もりツールを公開しています。

料金見積もりツールを用いて綿密な計算が必要なサービスといえるでしょう。

まとめ

従量課金モデルはサービスの利用量や回数に応じて支払う費用が決まる柔軟性の高い課金方式です。コストの削減、事業規模の変化に合わせた拡張など多くのメリットがあります。

一方で、利用量の急増による予期せぬ高額請求のリスクや、コストの見通しが立てにくいといった点がデメリットです。

従量課金モデルは、これらの対策を講じることで業務効率を向上させつつコストを最適化するための有効な手段となるでしょう。

クラウド型のジョブスケジューリング&ワークロード自動化ソリューションのRunMyJobsは従量課金制のサービスです。ジョブスケジューラーを導入したいけどコストに不安を抱えている、という担当者様はぜひ導入をご検討ください。

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