【Run SAP】Run SAP方法論によく出てくる E2E(End-to-End)って何?

 2011.04.19  リアルテックジャパン

SAP社の各種資料をみると、ありとあらゆるところに、E2Eというキーワードが見られます。特にRun SAP方法論の資料には多用されていますが、E2Eという言葉の説明がどこにもありません。今回は古い資料も引っ張り出しつつ、がんばって説明してみたいと思います。

代表的なところでまず「Run SAP方法論」の定義をSAP社の紹介ブローシャで見ますと、

     「Run SAP 方法論は、E2Eソリューションオペレーションの導入と継続的な管理を最適化する、実証済みの方法論」

となっています。

ーRunSAP方法論

まず最初にRun SAPの後ろに「方法論」とありますように、こちらは、なにかをするための具体的な方法が書かれていることがわかります。

ーE2E

次に「E2E」というキーワードがありますが、これは "End to End"の略で、欧米では "End to End"と聞いただけですぐにイメージが湧くキーワードみたいなのですが、日本ではまだまだ馴染みがないように思います。Internetで検索すると、エンドツーエンド原理 - Wikipediaとか、初めから終わりまで(From Start to End)の意味とかが参照できます。

今となってはE2EというキーワードがSAP社から提供される情報のあちらこちらに掲載されていますが、Enterprise SOA全盛の時代くらいから目立つようになってきたように思います。(SAP Virtual TechED 2008、つまり3年前です。この頃だと、まだ用語の説明に相当するPPTが多く入っています。)

http://www.sdn.sap.com/irj/scn/shop?rid=/media/uuid/90b0a6a7-5261-2b10-d19a-dd6545220f2c#

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4ページ目にSOAを実装する場合のアーキテクチャ図がありますが、右横に "End to End Solution Operations" とあり、その横に "SAP Solution Manager" とあります。これをみると "End-to-End"のEndは"Composition Environment"と"Service-enabled Applications"、つまりフロントエンドUIを提供したり、ビジネスプロセスやルールを管理するところからからバックエンドのサーバまでがE2Eに相当するんだとイメージすることができます。従来のABAP+Dymproで作成したSAPGUI環境と比べて、Enterprise SOA時代のソリューションの実装パターンが複雑になっていることがわかります。

ーEnd-to-End ソリューションオペレーション

17ページ目に”End-to-End Solution Operations”の説明があります。Enterprise SOAのアーキテクチャに則って実装されたE2Eのソリューションを運用することを指しており、このために必要なE2E Supportを提供するとあります。

ーE2E Support

またE2Eに戻ってきてしまっておりますが、E2Eのソリューションのイメージが湧くと、E2E Support の説明がかなりわかりやすくなります。

SAP社のALMの資料でわかりやすい例があるのですが、ここで掲載する訳にもいかず、そこにある内容をかいつまんで書きますと、モバイル端末から入れたデータがクラウド上にあるCRMと連携して、そこに登録されたデータがバックエンドのERP及び3rd Party製のデータベースを経由して、プリンタに出力されるというものです。

レイヤー             位置づけ                        動き(処理)

-----------------------------------------------------------------------------------------------------

Mobile                    On Device       新しい営業案件があったということMobileから情報を入力

Cloud            On Demand     クラウド上にあるSAP CRMシステムとモバイルが連d            On Demand     クラウド上にあるSAP CRMシステムとモバイルが連携

ERP on-Site       OnPremise      SAP ERPシステムとクラウド上のSAP CRMシステムが連携

OnPremise      3rd Party 製のデータベースとSAP ERPシステムが連携

OnPremise      プリンタで伝票印刷

つまり、ここでいう”End-to-End”は「Mobileに画面を提供しているクラウド上のCRM(*注) to プリンタ」と置き換えられます。これらをサポートすることが、E2E Support というわけです。

*注: 上記は少し古い資料をベースに説明を展開しておりました。現在ではSAP社はSybase買収に伴う Mobile Data Managementのソリューションを獲得など、SAP社によるMobileへの積極的な取り組みがありますので、 今後は「Mobile to プリンタ」 と捕らえていくのが正しいように思います。

 少しはイメージ湧きましたでしょうか?

このE2E(End-to-End)のキーワードのイメージが具体的に湧くことで、Run SAP関連のドキュメントがずいぶんわかりやすくなります。できるだけわかりやすくご説明したつもりですが、また何かよい資料などがありましたら、ここでご紹介したいと思います。

長文お読み頂きありがとうございました。

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