はじめに
「【S/4HANA】プレスリリースからそのコンセプトに迫る」と「【S/4HANA】プレスリリースからその実態に迫る」という記事で、S/4HANAの発表内容について解説しました。また、S/4HANAの会計モジュールのデータ単純化については「S/4HANA構成要素について データモデル編(データ単純化)」で記載しています。ロジスティクスに関しては今まで情報があまりなかったのですが、「Charting Your Future to the Perfect Enterprise with S/4HANA, SAP's Next Generation Business Suite」と題したWebinarでその一端が説明されました。本投稿では、そのS/4HANAのSimple Logisticsについて説明します。
Simple Logistics基本コンセプト
基本的なコンセプトとしては会計と変わりません。以下の3つにより単純化を実現します。
- データ集約削除:レポート用途でのデータ集約はHANAのレポーティングをすることで高速アクセスを担保します。
- 索引削除:HANAはカラムストア型なので、二次索引を持たずに高速アクセスを担保します。
- 冗長性削除:データ集約削除およびのデータモデル再設計の結果として冗長性をなくします。
Simple Logisticsの実態(データモデル)
Simple Logisticsの実態として、28テーブル(MKPF, MSEG, MSTQ, MSPR等)で管理していたトランザクションが2テーブルに集約されます(新しい2テーブルで具体的にどうのように管理されるかまでは発表ありませんでした)。在庫管理系のみの情報ですが、販売管理、購買管理も同様にデータモデルの単純化がされるはずです。データモデルの単純化とともに伝票処理やレポーティングの単純化も実現されるはずです。
3つの特徴
「Example: SAP Simple Logistics and Manufacturing」というスライドで3つの特徴について触れています。
- 賢明な意思決定のサポート:予測やシミュレーションによる素早く正確な判断
- KPIによるコントロール:最新のKPIをグラフィカルに確認可能
- リアルタイム処理:シンプルな操作での高速処理
「SAP Simple Logistics and Manufacturing」という名称も暫定と書かれていたり「SAP LABS PREVIEW」となっていたりと、決まっていない点も多いですが、具体的にどのようなことができるか期待してしまいます。
さいごに
Simple Finance(sFin)に関しては既に製品としてリリースされており、情報が多かったのですがSimple Logisticsの実態は初めて発表されたのではないかと思います。まだお伝えできる点が少なかったですが、今後も続報あればお知らせしていきたいと考えています。
- カテゴリ: S/4HANA