2010年7月に本ブログでも取り上げたSAP Carbon Impact 5.0で初お目見えのSAP社の新しいオンデマンド・アプリケーション基盤(開発コード "River")について、外部のコンサルタントの方が実際に使ってみてどうだったかというところで、画面イメージもついた情報が公開されましたのでご紹介します。
http://www.sdn.sap.com/irj/scn/weblogs?blog=/pub/wlg/23695
きちっと押さえておきたい方は原文(英語)をお読みください。
忙しいけど、キーワードを押さえておきたい、英語はちょっとという方もいらっしゃるかと思いますので、原文にある画面イメージをみながら下記のポイントをお読みいただくことで、すこしつかんでいただけるかと思います。
ーRiver上のアプリケーション開発は激早。
データドリブンの開発手法だそうで、アプリケーションのスケルトンはでに用意されていて、エンティティ、アソシエーション、リレーションシップとデータメンテ画面からなり、REST APIでほかのアプリと連携、データのUpload/Downloadもあるとのこと。
ーアジリティの追求
UIとデータモデルは本当に1つしかないそうで、WYSIWIGベースのフォームエディタを使って、データモデルとREST APIがダイレクトに提供されるそうです。従来からのデータベースレイヤ、アクセスレイヤ、UIレイヤ、そしてサービスレイヤごとにマニュアルで調整して整合性をとることによるトラブルからは解放されるとのこと。
ービジネスロジック
Action Editorという名前のグラフィカルなエディタが紹介されています。シンプルなタスクにはいいとか、Create/Read/Update/Delete data (CRUD) とUIの部分はABAP,Javaで実装するのに比べたら10-50倍早いんじゃないとのコメントがついていましたので、凝ったことしなければ使えそうです。
ーUIの柔軟性
Custom Style SheetベースでアプリにSkinを提供しており、FlexベースのCustom Widgetとの統合やHTML5対応、そしてRiverから外部へはREST APIでご自由にとのこと。ちなみにDefaultのSkinは今までのSAPのGUIと全く違うようです。
ー外部統合
下記のように今風で、非同期の統合の難易度は現時点でよくわからないとコメントがついています。
- outbound SOAP web service (Enterprise Service) calls – currently coded in JavaScript, soon with tool support
- outbound REST calls – currently with arduous XML mapping, soon with tool support – great support for integration with ABAP systems through Gateway
- inbound REST calls – out-of-the-box REST API for all your data and functions (actions), not sure about the limitations of the latter yet
2番目のGatewayがちょっと気になりますよね。 従来からのSAPシステム上で動くAdd-Onとあります。
このあたりはもう少し細かくかかれていますので、原文をみていただくことをおすすめします。
最後に著者が、今回の記事はファースト・インプレッションということで触れられなかったにようのキーワードがいくつか紹介されていました。
-River上にはJOBスケジューラがある。
-Riverは“In-Memory Computing Engine” (ICE)上で動いている。
-SAP社はRiverを一から作ったわけではない。Coghead と呼ばれる既存プラットフォームを買って、それをベースにRiverを作った。
などなど、いろいろ新しい情報あります。
参考記事(外部サイト):
SAP、クラウド進出を睨みCogheadの技術を買収
SAP、クラウド・プラットフォーム戦略を本格化
最初のアプリケーション「Carbon Impact」はAmazon EC2で稼働
- カテゴリ: クラウド