【SAP標準機能活用】アーカイブ環境の見直し

 2014.08.14  リアルテックジャパン

本記事は、下記シリーズ記事の一部となり、他記事も参照されることをお勧めします。

第1回 【SAP標準機能活用】SAP標準のアーカイブ機能を使ってコスト削減

第2回 【SAP標準機能活用】SAP標準アーカイブ環境への既存データ移行

第3回 【SAP標準機能活用】アーカイブ環境の見直し(本記事)

国内のお客様における従来からのSAPアーカイブ環境の場合、通常外部に専用のアーカイブサーバを立てて、サードベンダー製の専用ツールを導入し、そこにコンテンツリポジトリを作成してアーカイブデータを格納、参照しているケースがほとんどです。

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アーカイブサーバとERPの間は一般的にはHTTPアクセスになり、下記のようにHTTPコンテンツサーバを選びます。

archive-contents-repo.jpg

なお、外部にコンテンツリポジトリを作成する場合でも、サードベンダー製の専用ツールは必須ではありません。

SAP社純正でNetWeaver基盤の一部に SAP Content Serverという製品が含まれていますので、そちらを利用することが可能です。

SAPアーカイブはコンテンツリポジトリありきではない

ここが重要なポイントなのですが、コンテンツリポジトリ設定はデータをアーカイブし、参照するという基本機能を使うに当たっては必須ではありません。

設定有無による動作の違いは下記の通りです。

コンテンツリポジトリを設定している場合

1.アーカイブ書込みを実行すると、論理ファイル名で指定されたパスとファイル名でアーカイブファイルが生成される

2.データ削除を実行する

3.ストレージシステム(コンテンツリポジトリ)へアーカイブファイルを転送する

4.1で生成された元のアーカイブファイルが削除される

コンテンツリポジトリを設定していない場合

1.アーカイブ書込みを実行すると、論理ファイル名で指定されたパスとファイル名でアーカイブファイルが生成される
2.データ削除を実行する

具体的にコンテンツリポジトリを設定しない場合は、下図のようにコンテンツリポジトリの設定を空白にしておくだけです。

アーカイブ処理自体は論理ファイル名 ARCHIVE_DATA_FILE で指定されたファイルに書き込んで終わりとなります。

その際のアーカイブファイルはアーカイブセッション毎に作成され、大容量の場合は分割することもできます。

archive-sara-blank.png

コンテンツリポジトリからファイルシステムへの移行

すでにサードパーティ製のツールでアーカイブを導入済みで、コンテンツリポジトリをもたれている場合でも、SAP標準機能で上記のアーカイブファイルを復元することが可能ですので、コンテンツリポジトリを撤廃し、ファイルシステムベースのアーカイブにすることが可能です。

コンテンツリポジトリを撤廃し、ファイルシステムに移行することのメリット

専用のアーカイブサーバは不要になり、論理ファイル名で設定した、OSファイルにアーカイブファイルを格納しますので、一般的なファイルサーバなどでも流用できます。

合わせて、サードパーティ製の専用ツールを撤廃することで、ソフトウェアの保守費用を削減することができます。

コンテンツリポジトリを撤廃し、ファイルシステムに移行することのデメリット

 

サードパーティ製の専用ツールでしか提供されない付加価値機能で差がある可能性があります。

具体的には、検索機能とかで若干機能差があるかもしれません。またデータの維持運用自動化(ジュークボックス、テープなどと連携したデータ管理)などです。データの維持運用は別途ファイルベースのバックアップ運用を適用する必要があります。

ほとんどのお客様のアーカイブ運用は、取って参照しているだけということ、またジュークボックス、テープなどの自動連携はクラウド環境への適用を考えるとそもそも時代の流れと逆行してフィットしません。ある意味このあたりのデメリットを気にされるお客様は少ないのではないかと思います。

こちらの「【SAP標準機能活用】SAP標準のアーカイブ機能を使ってコスト削減」についてもっとご覧ください。

Archive Migration Service (アーカイブ移行リモートサービス)

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