SAP エンハンスメントパッケージ(EhP)適用計画時に予め認識しておくことで幸せになる(=プロジェクト計画リスクを事前に削減できるという意味です。) BASIS技術の勘所を5回シリーズで連載します。
なぜこのトピックを取り上げたかというと、「EhPを当てる」と聞いて最初に思い浮かぶお客様のイメージと現実のギャップを埋める情報がネット上にないためです。
第1回はEhPを適用する際に使用するツールと想定作業期間のイメージギャップの存在について説明します。ある意味、今回の連載シリーズを掲載させて頂くことになった背景ときっかけのご説明といえるかもしれません。
まず最初に既存ERP6.0(EhPなし)に新規でEhPを適用する場合に使用する代表的なツールは下記の通りです。
ーSAP Enhancement Package 3(EhP3)for SAP ERP6.0を適用する場合
ABAP部分:SPAM/SAINT *
JAVA部分: JSPM
SPAM:Support Package Manager
SAINT:Add-On Installation
JSPM:Java Support Package Manager
*:正確には、後述のEhPiがPilot Customer向けに公開されております。ただし、該当Note 自身を今現在見ることが出来ませんのでお蔵入りになったのかもしれません。
ーSAP Enhancement Package 4(EhP4) for SAP ERP6.0を適用する場合
ABAP:SAP EHP installer(EHPi)
JAVA: SAP EHP installer(EHPi)**
**:実際にはEhPiだけでなく状況に応じてJSPMを使いますので、あくまで代表的なものと理解ください。
今更EhP3のような古いパッケージを並記したのには理由があります。
エンハンスメント・パッケージを適用する際の実作業イメージについて、まず最初にお客様のほうで思い浮かぶイメージが、従来から行われているサポートパッケージ(SP)の適用やAdd-Onの導入で使う SPAM/SAINT,JSPM による適用作業と同じだろうという軽いノリです。
プロジェクトの現場的には「よくわかんないから、まずは週末検証機でたらたら当ててみて・・・」といった感じでしょうか。(確かにEhP3までは実際にSPAM/SAINTでやっていることもあり、間違ってはいないのですが・・・)
このノリでEhP4を適用しようとするとかなりの確率ではまります。弊社も一番最初このノリでやってみて見事にはまりました。
自社の仮想検証環境でハードリソースもプアな環境でEhP4の適用を開始しました。「1週間もあれば」とたかをくくったのですが、連続1ヶ月かかっても終わりませんでした。よくも1ヶ月も我慢したもんだと思われるかもしれませんが、処理は正常に動いているのです。当初は何かがおかしいのではと思いつつ、他の先進パートナー様の別の開発環境でも全く同じ状況ということがわかり、待ち続けたものの1ヶ月が経ち、結局諦めました。
これがREALTECH Japan での EhPiとの戦いの始まりでした。
(EhPiの概要説明はこちらのページからSAP社の資料をご参照ください。)
今回は第1回ということで新しいツールでEhPを適用する必要があるということ、適用作業期間については、従来のSP適用のイメージでとらえるのは危険かもしれないということをご説明しました。
追記:
適用作業期間については後ほど弊社でのチューニング結果や、お客様環境での本番実績を交えながら説明して参ります。(一ヶ月かかっても終わらないというのは極端な例です。驚かせてしまったらすいません。ある程度規模感で適切なチューニングを行えば、これならOKかもという現実的なスケジュールに落とすことが出来ます!まずはご安心ください。
追追記:
古いR/3 4.6,R/3 Enterprise 4.7からECC6.0にUpgradeする際には、従来のUpgradeの作業にEhP4適用を含めることができますがその際に使用する代表的なツールは下記の通りです。
SAP Enhancement Package 3(EhP3) or 4(EhP4) for SAP ERP6.0
ABAP:SAPup
JAVA: SAPJup
このあたりのトピックはECC6.0へのアップグレード検討中のお客様にとって非常に重要となりますので、今後触れていきます。
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以下、今後掲載予定の記事タイトルです。
【第2回】挙動編:SAPエンハンスメントパッケージ(EhP4)の適用の実際
EHP installerがどういった挙動を示すのかについて、実機での検証結果も交えてご説明いたします。
【第3回】チューニング編:SAPエンハンスメントパッケージ(EhP4)の適用の実際
REALTECHならではのDeep Tuning,今回はどこまでいけるかこうご期待。
【第4回】バージョンアップ同時適用編:SAPエンハンスメントパッケージ(EhP4)の適用の実際
これからECC6.0にバージョンアップするお客様は必見です。ある意味お勧めです。
【第5回】まとめ:SAPエンハンスメントパッケージ(EhP4)の適用の実際
EhP4適用時のBest Practiceについて、現場視点でまとめます。
お楽しみに
こちらの「SAP エンハンスメントパッケージ(EhP)の概要を知るには?」についてもっとご覧ください。
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