T-Bone(SLO)ツールによる超短時間システム移行事例

 2015.09.09  リアルテックジャパン

はじめに

OS/DBの保守期限切れに伴うSAPバージョンアッププロジェクトにて、弊社がSAP移行部分を担当させていただきました。移行対象となっているSAPシステムのダウンタイム許容時間が4時間という非常に厳しい要件でしたが、お客様を中心に弊社も含めて複数のベンダーが一丸となってプロジェクトを遂行した結果、プロジェクト計画立案から本番移行まで約2年間を費やして、当初の計画通りにプロジェクトを完了しました。

今回は弊社が担当した「移行」の概要についてご紹介させて頂きます。

2016/2/25追記

下記の通り、お客様事例として公開させていただきました。

【事例紹介】日本航空様T-Boneツールによる超短時間SAPシステム移行

SAPシステム移行概要

移行元及び移行先のSAPシステム情報は以下の通りです。

OS,DBMS,SAPを最新バージョンにバージョンアップし、併せてユニコード変換を実施しています。

slo-env.png

今回はシステムのダウンタイム許容時間が4時間でしたが、インタフェース部分の連携やデータ移行後の後処理の時間確保ということもあり、計画段階において実質SAPの移行部分は、2時間20分程度で作業を完了する必要がありました。

「theGuard! SmartChange Transport Management」 導入
SAPシステムパフォーマンス分析パック

この前提をクリアするために、Transformation Backbone(以下、T-Boneと略します)を用いた、NearZero Downtimeソリューションを適用して移行を実施しました。

超短時間のシステム移行を実現する仕組み

OS,DBMS,SAPバージョンアップおよびUnicode変換といった処理を一気に実施する場合は、通常複数の処理ステップを踏み、場合によっては中間機を経由することになります。その場合はデータ量等にもよりますが、移行全体で数十時間を見込む必要が出てしまい、お客様の業務次第ではダウンタイム要件を満たさないこともあります。

今回採用したT-BoneによるNearZero Downtimeソリューションでは、一般的なSAP移行手法(下図の①~③のステップを順次実行)ではなく、事前に準備したターゲット環境(ソフトウェアのバージョンをターゲットバージョンにしたもの)に対して直接クライアントデータを投入するという手法を用いることで、大幅にダウンタイムを短くすることが可能です。

slo-env2.png

特にNearZero Downtimeソリューションでは、事前に更新の発生しない過去データを転送し、その後データ転送を差分データの転送のみとすることでさらに必要ダウンタイム(本稼働システム停止)を極小化することが可能です。

ただし、お客様のシステム状態や現行業務の状態により移行手順・移行時間が異なってくることから、T-Boneのプロジェクトでは通常の移行プロジェクト以上に事前のテストやリハーサルが重要になります。

プロジェクトの進め方

本プロジェクトでは、全体のダウンタイム4時間をめざし、

・事前の移行検証:1回 (お客様の検証環境での問題点の洗い出し)

・移行テスト:3回 (お客様の本番環境での問題点の洗い出し・手順の確立)

・移行リハーサル:1回 (最終手順確認、移行時間の確立)

と十分なテストを行い、移行時間の短縮、移行中の問題点の抽出と解決を繰り返しました。

これらのテスト・リハーサルでは、データ移行処理だけでなく、BASIS前処理・後処理、アプリ後処理、データ移行後の確認といった処理についてもテスト・リハーサルで対応を行っていくことで移行時間短縮を図っていきました。

本番移行時間結果

実際の本番移行では下図にあるように、弊社作業分として最終差分転送とデータ件数チェックを2時間2分で完了させることができました。また合わせてBASIS/アプリベンダー様の方でも様々なチューニングを行っていただき、後処理を1時間14分で完了することができ、全体でダウンタイム許容時間の4時間以内に収めることができました。

slo-result.png

なお、事前転送にあたる全データ転送・差分データ転送については実際に要した期間は図にある68時間ではなく、5日弱となっています。これは数回の移行テストを経て、通常業務による高負荷時間帯などで、業務処理のパフォーマンスに影響を与えないように、あえて差分データ転送をしないといった調整を行ったことによります。

最後に

今回のプロジェクトではお客様、各ベンダー様の協力なしでは弊社の移行作業も完了させることが厳しいものでした。この場を借りて、協力いただいたプロジェクトメンバーの皆様に対し、感謝の言葉を述べさせていただきます。ありがとうございました。

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